作家としての境地を拓き、デビュー作「精霊流し」(幻冬舎刊)でベストセラー作家となったさだまさし。そのさだまさしが、瑞々しくも熟練とさえ思える技をもって書き上げたのが「解夏」です。昨年12月に発売され、現在までに7万部という、ベストセラーとなりました。
長い歴史が人々の生活の中に密着し、独自の美しさをもつ街、長崎。
海を見降ろす墓地、オランダ坂、中華街、古い商店街……最後の光を目に焼き付けようとする主人公隆之は巡って行きます。
そして、長崎にいる現在、半年前の東京での教師生活時代、数年前の大学時代、そして幼い頃の長崎での思い出と時間が交錯します。
時の重層性。場所のひろがり。同時に、家族、恋人、偶然に触れる人々のありがたさ、生きることの大切さを描いた感動作です。
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