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衝撃作『失楽園』から7年。気鋭・森田芳光監督が挑む<極限の愛>のカタチ。それは“切れっぱしの情熱”などではない、まるで魂に杭を打たれるように結ばれる男と女の心の軋み。海猫の鳴き声を身の奥深く響かせながら、<禁断の愛>の炎が燃える!北の海辺を舞台に、純愛とは何かを問う、谷村志穂渾身の原作を映像化。脚本は、森田監督と『それから』『失楽園』『阿修羅のごとく』を創った、恋愛ドラマの名手、筒井ともみが担当。キャストには、その清楚な雰囲気とたおやかな体躯でドラマやCMを席巻し、若い女性たちから熱い支持を集める伊東美咲が、森田監督の指名を受けて映画初主演を果たす。人気実力ともに常に高い評価を得る演技派、佐藤浩市と、近年、韓国・中国映画へも活動の場を拡げる仲村トオルが兄弟を演じ、伊東をめぐっての、激しくも哀しい愛と人生の物語を繰り広げる。また『おいしい結婚』以来の森田作品への参加で意欲を燃やす三田佳子が伊東の母親役を、そして、フジテレビ“月9”『ビギナー』でのデビューを果たし、成長著しいミムラが娘役に扮し、“女三代の物語”が、北の風土を背景に美しく力強く描かれる。男と女の愛のトライアングルを軸に、人間が根源的にもつ“愛”“情”“憎しみ”を織り交ぜながら、魂が求め合うような愛の「純粋さ」と「美しさ」を現代に投げかける。究極のラブストーリー『海猫』が、今秋11月、銀幕に舞いおりる…
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昭和50年代半ば、函館。ロシア人を父に持つ美しい娘、野田薫が、峠ひとつ隔てた漁村、南茅部(みなみかやべ)の漁師、赤木邦一のもとへ嫁ぐ。函館での生活にいつも息苦しさを感じてきた薫は、邦一の朴訥とした人柄と街の人間にはない逞しさに惚れたのだ。夫婦で小さな舟に乗り、赤木家慣わしである昆布漁に励む二人。懸命に漁師の家での生活に溶け込もうとし、同時に女としての性の喜びに目覚めていく。美輝という娘にも恵まれ、傍目には順風満帆に思われた生活だったが、二人の間には少しずつ愛情も薄れ始め、夫婦の絆に、亀裂が深く静かに拡がりつつあった。仕事に没頭することで夫婦生活の鬱憤を晴らそうとする邦一に対して、慣れない漁村のコミュニティ−で次第に孤独感を強める薫は、出会った時から密かに思いを寄せて来た邦一の実弟、広次を頼るようになる。そして、遂に一夜を共にすることになる薫と広次。たった一度の禁断の夜から一年後、第2子、美哉の誕生をきっかけに、後戻りの出来ない運命の歯車がうねりをもって大きく回り始める。 邦一の想いの痛さと迸るような広次の想いを乗せて、薫と3人の愛は、海猫の舞う太平洋を臨む崖の上で、激しくも切ない結末へと向うのだった…。
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