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絢爛豪華たる魔の世界を舞台に描く、哀しくせつない宿命の恋!
2000年夏、松竹と劇団☆新感線の初のコラボレイト作品として上演され、 その圧倒的なスピード感とエンタテインメントに徹した演出で伝統的な商業演劇に衝撃を与えた舞台「阿修羅城の瞳」。
新しい時代の到来を告げる傑作と高く評価されて大ヒット、2003年の再演も大成功を収めたこの作品の映画化が遂に実現!
中島かずきの原作を新たに脚本化、最新SFXを駆使して、全く新しいエンタテインメント作品としてスクリーンに登場する! 映画でしか実現できない絢爛豪華にして妖婉な異界を創造するのは、超大ヒット作「陰陽師」の滝田洋二郎監督。日本映画界の超一流スタッフを集め、恐ろしいまでに美しく、怖いほどにせつない、人と鬼との禁断の恋を描ききる。
主人公の病葉出門を演じるのは、舞台でも出門を演じ、大絶賛された市川染五郎。今や歌舞伎界にとどまらず、さまざまなジャンルで活躍する彼が、新境地を開いた当たり役で、満を持しての映画初主演を果たす。また、恋をすれば鬼になる数奇な宿命を背負うつばきには、「たそがれ清兵衛」で数々の賞を受賞、演技派女優の地位を確立した宮沢りえ。その他、渡部篤郎、内藤剛志、樋口可南子、小日向文世など個性派俳優が脇を固めている。
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時は文化文政、表向きは平和に見える江戸の町。しかし、町のそこここに人の姿を借りた魔物が潜んでいた。人を喰らい、人の世を滅ぼそうとするその者たちを、「鬼」と呼んで怖れた人々は、「鬼御門」という組織を結成する。彼らは鬼と人間を瞬時に見分ける能力と、冷酷で強靭な剣術の腕を誇っていた。鬼御門の頭領、国成延行(内藤剛志)と、彼の右腕、安倍邪空(渡部篤郎)は、部下たちを率いて今夜も容赦なく鬼をたたき斬っていた。
病葉出門(市川染五郎)は、かつて鬼御門で「鬼殺し」と怖れられる腕利きだったが、 5年前のある事件を境にそれまでの一切を捨て、今は四世鶴屋南北(小日向文世)の一座で舞台役者として活躍していた。
その頃、江戸の町は『闇のつばき』の噂で持ちきりだった。盗みはするが、決して人を傷つけず、一輪の椿を残していくという盗賊団。彼らの表の顔は曲芸を披露する渡り巫女だった。その中に一人、ひときわ美しい女がいた。彼女の名はつばき(宮沢りえ)。5年前、川辺に倒れているところを渡り巫女たちに助けられたのだが、それ以前の記憶を失くしていた。ふとした偶然から、出門はつばきと出逢い、端正な顔立ちに似合わぬ激しい気性を持つ彼女にたちまち恋をする。しかし、その一方で、彼女の瞳の奥に宿る何かに胸騒ぎを覚えるのだった。
鬼を率いる尼僧姿の鬼女、美惨(樋口可南子)は、鬼がこの世を支配するために、伝説の鬼の王・阿修羅の復活を待ちつづけていた。そして、いよいよ機が熟したことを確信する。阿修羅の復活の徴を見たのだ。その頃、強引な言動の下に隠された出門の優しさに惹かれ始めたつばきの肩に、紅の花のような痣が広がり始めていた。
「恋をすると鬼になる」? つばきは真実の恋に出会うと、鬼の王・阿修羅に生まれ変わってしまう数奇な宿命を背負っていたのだ……。
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