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04年、邦画界に革命をもたらした衝撃の官能ロマン『花と蛇』。カラーグラビア、袋とじ、インタビューなどあらゆる週刊誌をジャックし、インターネットでは公式サイトがパンク寸前のアクセス数を記録する。女優・杉本彩が自らの全てを剥き出しに体当たりの熱演を見せれば、鬼才・石井隆は、その体を素材にエロスをエンタテインメントに昇華させる。性の文豪・団鬼六の原作を基に生まれた奇跡のコラボ。当然のように誰もがその続編を熱望した。だがすでに杉本彩は、女優が肉体で表現可能なある種の限界を超えている。果たして前作を超えるものを生み出すことは可能なのか? 杉本も石井も懊悩した。そこでたどり着いた彼らの結論、杉本のモチベーションとなる新たなテーマ。それが「エキセントリックなラブストーリー=狂気の愛」であった。
「私の体は表現のためのただの道具」――。そう、言い切る杉本彩。男女の深い愛を描きながらも、SMシーンの過激さは前作以上。覗き海老ころがし、ぶっちがいの図といった日本古来の春画の世界が、マニア特注の性具とともに汗の匂いも生々しくスクリーンに再現されていく。
しかも本作では遠藤憲一を相手に過激だけではない濃厚なエロスの世界も再現。また、大ベテラン宍戸錠が遠山役で共演しているのも話題だ。今回、杉本ともに愛と性の囚われ人となるのは『嗤う伊右衛門』の不二子、元ギリギリガールズの荒井美恵子。これまで自らを覆っていた衣を脱ぎ捨て、勝負に出たふたり。女優・杉本彩の覚悟はスタッフ、共演者全てを飲み込み、いま、さらなる狂熱(ステージ)へと向う。
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静子は、著名な美術評論家、遠山隆義の最愛の妻。35歳という年の差が生むセックスレスを不満とも思わずに充たされた毎日を送っている。そんな或る日、遠山が崇拝する画壇の長老が死んだ。密かにCGで描いたエロティックアートの数々を遠山に遺して。その絵のモデルは静子…。全てが妄想で緊縛された静子だった。己にも差し込む死の影を自覚する遠山は、その絵が語りかける生の神秘、女の魔性をこの目で確かめようと、静子をパリに向かわせる。世の中を憎み続ける不遇の若い画家、池上亮輔に遭わせる目的で。見えない糸に操られて幾重にも絡まりあった3人の背徳的な愛は、次第に真冬のパリを夢魔の世界へと塗りかえていく。
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