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桜の咲き誇るあの春の日、ただ愛する人を、家族を、友を、祖国を守りたい、その一心で「水上特攻」に向かい、若い命を散らしていった男たち。彼らの壮絶な生き様と深き想いが、遺された者たちの永遠の無念が、戦後60年を迎えた今、映画『男たちの大和/YAMATO』として、空前絶後のスケールでスクリーンに甦る。
原作は辺見じゅんが大和の生存者や遺族に膨大な取材を敢行して書き上げた傑作ドキュメント「男たちの大和」。監督・脚本は日本映画史に残る名作を手がけてきた巨匠・佐藤純彌が、キャリアの総決算として“亡き魂の鎮魂歌”に挑む。製作は東シナ海に沈む大和を発見した「海の墓標」委員会の陣頭指揮を執った角川春樹。『鉄道員』『半落ち』などの企画者・坂上順らとともに、この壮大なプロジェクトを実現させた。音楽は宮崎駿アニメ作品や北野武監督作品でも知られる久石譲など、錚々たるスタッフ編成。また長渕剛が主題歌「CLOSE YOUR EYES」を書き下ろし、“大和の男たちの魂”に捧げているのも、大きな話題である。
キャストも超大作ならではの豪華な顔ぶれが揃った。反町隆史、中村獅童という日本映画演劇界をリードする実力派スターを筆頭に、松山ケンイチ、渡辺大、内野謙太、崎本大海、橋爪遼など次代を担う新人俳優が特年兵となり、60年前の熱く哀しい青春群像を見事に体現していく。大和と運命を共にした伊藤整一司令長官には日本映画界を代表するスター・渡哲也が扮し、男たちの運命を無念の想いで見据えていく。現代のパートには、今や日本映画界に欠かせない美と実力を兼ね備えた鈴木京香、戦後昭和から平成の現在まで常に第一線で活躍し続ける名優・仲代達矢・彼らの鎮魂の想いによって、60年前に起きた壮絶かつ心揺さぶられる真実の全貌が切り開かれていく。
撮影は3月26日クランクイン。約6億円をかけて広島県尾道市の造船ドックに大和の艦首から艦橋までを原寸大で再現した全長190メートルの広大なセットを中心に、3ヶ月の長期にわたり各地で撮影を敢行。7月13日クランクアップ。編集、最新CG、デジタル合成作業、音楽録音などを経て、12月17日(土)、全国東映系にて一斉ロードショーされる。
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鹿児島県・枕崎で生きてきた老漁師の神尾(仲代達矢)は、内田真貴子(鈴木京香)と名乗る若い女性に懇願され、東シナ海を西へと、小さな漁船を走らせていた。「内田二兵曹…」。神尾の胸に、鮮やかに、そして切々と甦ってくるのは、60年前の光景、戦友たちの姿…。
昭和19年2月、若き日の神尾(松山ケンイチ)たち特別年少兵が、大和に乗組む。その威容に、10代の少年たちの目が輝く。が、それも束の間、厳しい訓練が始まった。彼らの前に、際立って魅力的な、かつ尊敬できるふたりの上官が現われる。機銃射手である内田二兵曹(中村獅童)と、烹炊所の班長を務める森脇二主曹(反町隆史)。森脇と内田は、配属場所こそ違え、気心の知れた仲で、柔道で激しい申し合いをするなどお互いに切磋琢磨し、大和の下士官の中で異彩を放っていた。
同年10月、レイテ沖海戦に出撃する大和は、襲来する米軍機の激しい爆撃、機銃掃射にさらされる。負傷した内田を戦時治療室に運んだ森脇は、初めての実戦に戸惑う神尾ら特年兵たちを叱咤激励し続ける。事実上連合艦隊が壊滅に追い込まれたこの海戦で、重傷を負った内田は、呉の海軍病院送りとなり、大和の任務から外れることになった。
翌20年3月、乗組員たちは出撃前最後の上陸を許される。まだあどけなさの残る恋人との逢瀬、苦労を掛けた母との再会、馴染みの女との一夜…。あまりにも短く、切ない時間を過ごし、大和に戻っていく男たちの群れに、軍規違反を覚悟で病院を抜け出した内田の姿が混じっていた。
4月1日、米軍機が沖縄に来襲、参謀長より遂に伊藤司令官(渡哲也)、有賀艦長(奥田瑛二)に対して、沖縄への大和の特攻の命が下される。各々の覚悟と想いを胸に秘めた3000余名の乗組員たちが前甲板に勢揃いする。4月6日、いよいよ大和以下10隻の艦隊が、豊後水道を南下、翌7日、その動きを察知したアメリカ軍艦載機が来襲。全速力で進む大和に、次々に襲い掛かる、爆撃機、雷撃機。迎え撃つ46cm主砲が火を噴く。応戦する大和艦内各所で、乗組員たちの、最後の奮闘が始まった…。
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