作品情報：ワースト☆コンタクト

ワースト☆コンタクト
	８月６日(土) テアトル新宿にてレイトショー
	２００５年／日本／カラー／ビスタ／93分

　夜空に輝く星は、遠い昔に消えた惑星の最後の輝きだという。その惑星の中にも、星の数ほどの人々の暮らしがあった。ぱちんとはじけた人生もあれば、輝き続けた人生もある。太陽系第三惑星・地球。この星は今、最後のときを迎えようとしていた。そこにもまた、星の数ほどの人々の暮らしがある。その中に、宇宙のチリみたいにしょーもない連中がいた。“死神”と呼ばれる極道・生垣幸太郎をめぐる人々。彼らは姑息にしたたかに、“今”を生き抜いている。ところが、自らを宇宙人と名乗るけったいなおっさんの出現で彼らの人生は一変した。彼らが過ごす地球最後の瞬間とは？　彼らに訪れる、ささやかな幸福とは何か？
　出演作１０５本目にして、「これが最後の極道役」と極道廃業宣言を掲げた我らがアニキ、哀川翔。待望の最新主演作は、なんと極道ＳＦ！　彼を取り巻くキャストにも、異色の顔ぶれが揃った。「地球を滅亡させる」ためにやってきた宇宙人に、１３０Ｒとして活躍する一方、ひとり芝居にも挑戦するコメディアン・板尾創路。主人公・幸太郎の幼なじみで、今は警官になっている佐藤には『蒲田行進曲』をはじめ、つかこうへいの舞台で注目され、近年ではバラエティでも天然キャラが笑いを誘う稀有なバイプレイヤー酒井敏也。幸太郎の恋人で組長の愛人でもあるしたたかな女・香奈をユーモラスに演じるのは『回路』（黒沢清監督）などで活躍する有坂来瞳。年齢不詳の幸太郎の舎弟に『鮫肌男と桃尻女』『ハウルと動く城』の日本一の怪優・我修院達也。幸太郎を追う刑事には、佐戸井けん太が「踊る大捜査線」の飄々とした係長役から一転、上昇志向剥き出しの悪徳刑事を嬉々として演じる。さらにベンガル、団時朗、曽根晴美、曽根英樹、翁華栄など、クセモノ俳優たちが脇を固めている。
　監督はＴＶドラマ「東京抜け道ガール」「演技者」で注目され、『Believer』で劇場映画デビューを果たした気鋭のクリエイター・多胡由章。「テーマなんか煩わしいものは置いといて、思い切り笑えてちょっとハートに沁みる物語」を軽快なタッチで描き出す。
　『ワースト☆コンタクト』は、「１９９９年に地球なんか終わると思ったけど、ついうっかり生き残っちゃいました」という、世紀末をやり過ごした人たちに捧げる、ハルマゲドンの先の幸福論…人生最後の瞬間まで、悪あがきしてでも生きろ！　そんな気持ちにさせてくれる物語である。あえて言い切ってしまえば、これは哀川翔版の『生きる』なのだッ!!（黒澤明監督、ゴメンナサイ）

　生垣幸太郎（哀川翔）は、仲間に“死神”と呼ばれるくらいヤバい人生を歩んできた極道だ。彼は今、人生最大の危機に直面していた。本家の大親分（曽根晴美）に見込まれて、中国マフィア（ベンガル）とのヤクの取引を任されたことを組長の臼井（団時朗）に疎まれていた。臼井は幸太郎の舎弟のケンジ（我修院達也）を使って密かに取引の妨害を企んでいた。幸太郎の恋人・香奈（有坂来瞳）もまた、金の誘惑に負けて臼井の情婦に堕ちていた。さらに昇進のためにはどんな汚い手段もいとわない泊刑事（佐戸井けん太）たちも、取引に向かう幸太郎を泳がせて一網打尽にしようと尾行を続けている。
　一方、そんな事態とはまるで関係なく、幸太郎の幼なじみの警官・佐藤（酒井敏也）は、仕事そっちのけで離婚の危機に思い悩んでいた。
　取引時刻まであと３時間。そんなとき、幸太郎の前に、どう見ても浮浪者にしか見えない男・川田（板尾創路）が現れた。“宇宙人”だと名乗る彼は「地球を滅亡させるためにやってきた」と告げる。川田の言葉を信じようとしない幸太郎だったが、やがて彼は川田の口からある事実を知らさせる。幸太郎と佐藤と川田の間には、少年時代のある秘密が隠されていたのだ……。

監督：多胡由章
脚本：サタケミキオ／祭文太郎

製作：加藤義久
企画：石田守／松島富士雄
プロデューサー：渡辺武／渡邊義行／加藤麻樹
音楽：遠藤浩二
監督補：横井健司
撮影：小松原茂
照明：白石成一
録音：吉田憲義
美術：橋本昌和
編集：島村泰司
ＣＧスーパーバイザー：小畑正好
音響効果：西岡正巳
助監督：明山智
制作担当：堺光範

主題歌：スガシカオ「やつらの足音のバラード」

製作：ファインフィルムズ
制作：ネクスト／エクセレントフィルム
制作協力：エンタテインメント倶楽部
配給：ファインフィルム
宣伝・配給協力：アニープラネット

生垣幸太郎：哀川翔
川田：板尾創路

仁科香奈：有坂来瞳
佐藤進一：酒井敏也
泊健吾：佐戸井けん太
川口：宮本大誠
鵜飼広志：曽根英樹
臼井豪：団時朗
張：ベンガル
ケンジ：我修院達也

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