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ガーダ パレスチナの詩

2006年5月20日(土)より、UPLINK Xにてロードショー

2005年/日本/DVCAM(NTSC)/106分
イントロダクション
 1988年7月、ひとりの女性ジャーナリストが戦火のパレスチナで取材をはじめた。古居みずえ・当時40歳。37歳の時、原因不明の関節リウマチに襲われ、1ヶ月後には歩行器なしで動けなくなった。真剣に人生に向き合っていなかった自分に悔やんだ。諦めかけたころ、投薬した薬が奇跡的に効いた。「一度きりの人生。何かを表現したい。」古居は普通のOL生活から女性ジャーナリストとして人生を大きくシフトした。
 古居は、パレスチナの人々と生活を共にしながら、女性や子供たちを中心に取材をはじめた。半年近く定住することもあり、難民キャンプの人々から親しまれた古居はガザの人々から「ミツ」と愛称されるようになる。パレスチナ・ガザ地区の難民キャンプで、本作の主人公ガーダと出会ったのは、ガーダが23歳のときである。英語が堪能だったガーダは古居の通訳となる。ガーダが結婚を目前にし、古い風習に反発していることを知った古井は、ガーダにビデオカメラを向けた。以来、12年間、記録した映像は500時間を越えた。
 この映画は、主人公・ガーダの23歳から35歳までの、結婚、出産、そして自ら故郷への旅を歩み始める現在までが描かれる。
 ガーダは、古い慣習の残るパレスチナ社会で、自立を探求し、さらには、イスラエルによって土地を奪われる以前のパレスチナの人々の暮らしや戦争体験を掘り起こそうと、聞き書きの旅をはじめる。ふるさとの料理を訪ね、歌い継がれてきた素朴な詩歌を掘り起こし、次の世代にパレスチナの記憶を伝えようとする。
 本作は、古居の単独取材による映像を、『A』『A2』(森達也監督)や『Little Birds ―イラク 戦火の家族たち―』(綿井健陽監督)を手がけた安岡卓治が編集。長年、古居の取材を支えてきたアジアプレス・インターナショナル代表・野中章弘が製作として参加している。映像ジャーナリズムが映画へと昇華した、珠玉の女性映画である。
ストーリー
 パレスチナ女性ガーダは、ガザ地区難民キャンプで生まれ育った。ガザ地区南部は古い慣習の残っている地域だ。そんな中で、自立心の強いガーダは伝統的な結婚式を拒否しようとし、今までのやり方にこだわる母親や友人、婚約者の母親とぶつかっていく。結局、ガーダは結婚式をあげず、花婿のナセルとエジプトに新婚旅行に出かける。1996年ガーダは最初の子、ガイダを出産し、女性として新しい生き方を貫いていく。
 しかし2000年、パレスチナでは第二次抵抗運動が始まる。親戚の男の子カラムの死を目にし、母親として気持ちを揺り動かされる。ガーダは、パレスチナ人としてのアイデンティティーに目覚める。幼い頃、祖母から聞いた故郷の話や歌がガーダの心に蘇り、1948年に追われた話を、祖母年代の女性たちから聞き始める。
 100歳になるハリーマは人生の終末でイスラエル軍によって家を壊され、テント暮らしになる。ガーダはハリーマから土地に根付くパレスチナ人の心意気に魅せられる。イスラエルとの国境に生きるウンム・バシームは農業や放牧を続けている。ガーダはウンム・バシームの生活を自分の故郷ベイトダラスに重ね合わせる。
 ガーダというパレスチナ女性の生き様を通して、いまだに残る古い慣習を浮かび上がらせると同時に、パレスチナの原点を新しい世代につないで行こうと決心するひとりの女性の成長を描く。
スタッフ
キャスト
撮影・監督:古居みずえ
製作:安岡卓治 /野中章弘
編集:安岡卓治/辻井潔
翻訳:(アラビア語訳)サイード・アハマド/山本薫 (英語訳)森本麻衣子/渋原千鶴子/櫻井英里子
編集協力:小西晴子/松林 要樹/木村 茂之
宣伝美術:成瀬慧
協力:ガーダの家族/ナセルの家族/カラムの家族/ハリーマの家族/アブ・バシーム&ウンム・バシーム/ハンユニス難民キャンプの皆様
製作協力:古居みずえドキュメンタリー映画支援の会代表 土井 幸美/北林 岳彦
製作:安岡フィルムズ アジアプレス・インターナショナル
配給宣伝:バイオタイド
ガーダ・アギール

ハリーマ・シュビーア

ウンム・バシーム
ほか

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