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2006年10月7日(土)、渋谷シネ・アミューズにてレイトショー公開

2005年/日本/カラー/35mm/86分
イントロダクション
 新しい日本映画の試み。次代を担う実力派の若い才能たちが集結し、謎めいた展開とダイアローグ(会話)の魅力に満ちた、斬新なシチュエーション・ミステリーを誕生させた。  同窓会に集まった男子9人が、ひとつの空白をめぐってスリリングな問答を重ねる中、時が経っても変わらない友情のかたちが少しずつあぶりだされる異色の作品だ。
 本作は、大きな注目の中で新設された映画製作会社、サラマンドラ・ピクチャーズの記念すべき第1回作品。広告業界のクリエイティブディレクター&エグゼクティブプロデューサーとして広末涼子や大沢たかおなど数々のスターを生み出してきた齊田春日プロデューサーの主催により、従来の日本映画の枠を超えた“日本発・世界基準”の映画を送り出すことを目的とする。
 サラマンドラが求めているのは、時代を変える可能性を持った人材。今回のキャスト陣には『カミュなんて知らない』での怪演が海外でも高い評価を受けた中泉英雄、『チルソクの夏』で難役をつとめた鈴木淳評、「劇団BANANANUDE」の看板役者であり『美女缶』での演技が高く評価された藤川俊生、『十五才/学校IV』で日本アカデミー賞新人賞を獲得し『北の零年』など多数の映画で活躍する金井勇太をはじめ、日本映画界には稀な本格セリフ劇をこなせる新進俳優たちが厳選された。監督には『トリック』(堤幸彦監督)、『枕草子』(ピーター・グリーナーウェイ監督)などで国内外問わず、話題作や有名監督作の助監督などをつとめた東條政利を起用。限定された空間の中で9人の複雑なアンサンブルを巧みに演出し、スタイリッシュな映画空間を作り上げている。脚本は、初めて書いた脚本作がいきなりトムプロジェクト新人脚本賞を受賞した「劇団インベーダーじじい」主宰の劇作家・なるせゆうせい。スピード感あるれるセリフの応酬と、ブラックな幻想性も組み入れた緻密な構成に、その独特な才気を如何なく発揮している。
 彼ら新進気鋭のキャスト&クリエイターの熱気と冒険心をしっかり支えるため、周囲のスタッフは第一線のベテラン勢でガッチリと固められた。撮影は日本映画撮影監督協会理事もつとめつつ『デスノート 後編』など多くの作品で活躍する高間賢治。美術に『THE JUON/呪怨』でハリウッドの評価も高い斎藤岩男、音楽プロデューサーに『Shall we ダンス?』の和田亨。
 そしてなによりも、この映画が伝えるのは、人生の多感な時期を共有したことが永遠の宝物となる、友情の美しさと大切さである。現場では撮影に入る前に3ヶ月間の徹底したリハーサルを敢行し、スタッフ・キャストの間には劇中さながらの友情が実際に育まれていった。つまりこの映画自体が同じ志を持った映画人たちを未来に向けて放とうとする、ひとつのスクールとも言えるのだ。
ストーリー
 夏、山道を走る車。
 やがて運転席から降り立ったひとりの男が洋館の中に入っていく…。
 同じく洋館。階段を上がって、にぎやかな男たちが集まってくる。今日は甲子園まであと一歩のところまでともに闘った、明星高校の野球部の同窓会なのだ。送り主不明の案内状に導かれ、7年ぶりにメンバー9人が再会。豪華な料理が用意してあるテーブルに9脚の椅子。彼らは自分たちの最後の試合となった予選トーナメント決勝戦での打順に従って座ることにする。
 食事をとりながらとりとめのない会話を始める9人。やがて話が野球部時代の思い出話に展開すると、それぞれの記憶に食い違いが生じる。
 あいまいな記憶をハッキリさせる手がかりになるかもしれないと、7年前に埋めたタイムカプセルを開けることが提案される。開封手段は、メンバーそれぞれが大事に持っていた9個の鍵。ところが箱には10個の鍵穴が付いているのだった――。
 自分たちの記憶の大きな空白に気づくメンバーたち。事態はさらに二転三転。やがて誰も予想できなかった真実が明らかになっていく…。
スタッフ
キャスト
エグゼクティブプロデューサー:齊田春日
プロデューサー:黒川章太/末田大輔
監督:東條政利
脚本:なるせゆうせい/東條政利

撮影:高間賢治(J.S.C.)
音楽プロデューサー:和田亨
音楽:林祐介
美術:斎藤岩男
照明:上保正道
録音:井家眞紀夫
編集:小川王子
スチル:セレナ
企画協力:TOKYO GREAT VISUAL/大坪輝央
制作:ガレット
製作:SALAMANDRA PICTURES
配給:SALAMANDRA PICTURES/バイオタイド
中泉英雄
関谷正隆
武田裕光
藤川俊生
鈴木淳評
石澤智
吉舎聖史
黒川達志
金井勇太
兒玉宣勝

佐藤鮎美

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