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音楽、演劇、映画、漫画、ファッション……ジャンルは違っても、カルチャー表現を目指す人々が一度は通過し、好んで移り住む街。庶民感覚溢れる街並みに古着屋や飲食店、居酒屋などがびっしりと建ち並ぶ“おもちゃ箱のような街”。お年寄りから若者まで、多くの人々に愛されるこの山の手の下町「下北沢」を舞台に、おバカで、エロくて、それでいてお洒落な痛快エンターテインメント・ムービーが生まれた!
先鋭的な感性で時代をリードし続けるトップクリエイター、下北沢を拠点とするコンテムポラリー・プロダクションを率いる信藤三雄の長編初監督作品。シモキタ版『男はつらいよ』的な「下町人情物語」のフレームを換骨奪胎して、映像、音楽、グラフィックアートをリミックスしたこれぞ信藤ワールドの集大成! 元祖ヘタウマの巨匠イラストレーター、湯村輝彦のエロ光線炸裂の壮絶バトルもお楽しみ。
地方をドサまわりしていたという(自称、テイ・トウワの兄貴分)DJタイガー7年の放浪の末にシモキタの実家、「饅頭屋うさや」に帰ってきたDJタイガーは、離婚してシモキタに戻ってきたマドンナ、さつきちゃんに片思い。彼女にいいところを見せようと、折りしも巻き起こったソープランド建設計画に真っ向から立ち向かうのだが……。ダメな男たちの本能は、どうしても“ソレを我慢できない”!? そしてソープランド建設計画の背後でうごめく巨大な陰謀。男の精力を吸い取って神通力を増しながら、シモキタから宇宙の支配を目論む天狗の野望…!?
シモキタ版“フウテンの寅さん”ことDJタイガーを、『オースティン・パワーズ』級のハイ・テンションで竹中直人が怪演! そしてシモキタをこよなく愛す役者たちが大集合。たった一人の可愛い妹、ちえり(チェリー)役に下北沢生まれの女優、小池栄子、おばちゃん役に清水ミチコ、おいちゃん役にベンガル。憧れのマドンナ、さつき役には鈴木京香、物語のおバカな鍵を握る“天狗”を祀る真竜寺の住職に、元YMOの高橋幸宏という異色にして豪華なキャスティング。
他にもDJタイガーの“ハゲ仲間”古着屋の店主、チャーリー鮫島役に高橋克実、カレー屋「茄子おやじ」の “なすおやじ”役に温水洋一。ビリヤード場「ニュー・グランド」の店員“赤パン”役にアンガールズの田中卓志。ソープランド建設の首謀者とその広報担当に斉木しげる、緋田康人。バー「LADY JANE」の大ママ役に、“ヒゲの未亡人”こと岸野雄一、小ママ役に元ピチカート・ファイヴのお洒落ヴォーカル、野宮真貴。ロザリオスの中村達也、下北在住の小島麻由美、そしてDJタイガーの舎弟にホフ・ディランのワタナベイビーなどミュージシャンのキャスティングも多数。
ミスチル、UA、松任谷由美、サザンオールスターズなど大物ミュージシャンのPVを数多く手がける信藤監督だけに、全編を覆うサウンドトラックのセンスは抜群。スケッチ・ショウ(高橋幸宏、細野晴臣)の編曲による「STAR DUST」を鈴木京香が熱唱。昭和歌謡からプリンス・バスターのラップ、そしてエンディングをシメるのは竹中直人、ワタナベイビーによる「今夜はブギー・バック」。
環状7号線と同じ、最大幅26メートルの道路「国道補助54号線」が街並み分断する都市計画で揺れる下北沢。こうした状況の中、下北沢を愛するアーティストたちが声をかけあい、この街の持つ独特な魅力をもう一度考えようという活動が盛んに行われている。『男はソレを我慢できない』は、小田急線と隣接する下北沢駅前食品市場の一画に建てられたセット「饅頭屋うさや」を舞台の中心にしながら、下北沢の街全域でロケを敢行。人間の生きる尺度にあったシモキタの街の魅力を映像アーカイブとして残す映画プロジェクトでもある。
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時代遅れのDJスタイルで全国をドサまわりしていたという、服部大河こと“DJタイガー”(竹中直人)が、7年の放浪の末、下北沢の実家「饅頭屋うさや」にふらりと帰ってきた。タイガーの異様な風体に驚く、おばちゃん(清水ミチコ)やおいちゃん(ベンガル)、そしてたった一人の愛する妹ちえり(小池栄子)。“ハゲ仲間”の幼なじみ、古着屋チャーリー(高橋克美)、カレー屋の“なすおやじ”(温水洋一)、舎弟のベイビー(ワタナベイビー)たちとつるんで、これといってすることもないその日暮らしの生活が始まった。相変わらず女に惚れっぽいDJタイガーは、幼なじみのマドンナ、さつきちゃん(鈴木京香)が離婚して下北沢に戻り、和風喫茶「大山茶苑」を切り盛りしていることを知って、彼女の店に入り浸る。
そんなある日、平和な下北沢の街に突如大問題が発生した。バー「LADY JANE」の敷地に、巨大ソープランドが建設されるというのである!
憧れのマドンナ、さつきに「下北沢を守ってください!」と懇願されたDJタイガーは有頂天、「このDJタイガー、シモキタを悪の手から救ってみせます!」と宣言するのだが……。天狗が祀られている真竜寺の住職(高橋幸宏)に促され、いつものグウタラ仲間たちと徒党を組み、「ソープランド建設説明会」なるものに出向いたタイガーたちは、まんまと“体験入浴会” にはまり込み、骨抜き状態に。怒った女たちも「ソープ建設反対!」のプラカードを掲げ、乗り込むのだが……。
その舞台裏では、ソープランド建設を推進する「ゴールデン・テンプル・エンタープライズ」の社長・金閣寺大造(斉木しげる)と広報担当の“ヒルズ”(緋田康人)が、ソープ嬢をはべらせながら息巻いていた。
「本当に人間の男というものはバカですなあ。男の精力を吸い取ることで、我々天狗の神通力が巨大になるとも知らずに…!」
下北沢を根城にして天狗の巨大な陰謀が蠢いていたのである。果たしてDJタイガーの運命は? シモキタの街はどうなる?
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