|
|
|
4人の男女の交錯する愛を独自の目線と美意識で描いた初監督劇場作品『心中エレジー』でアメリカ・シネマパラダイス映画祭をはじめ、海外映画祭で3つの最優秀賞を受賞し、世界に絶賛された新鋭・亀井亨監督の最新作『楽園〜流されて〜』が完成した。
期せずして孤島に流されてしまった男と女。そこは食べるものどころか、飲み水さえ手に入れるのが困難な場所だった。お互いを拒否し、憎みあうふたり。それまでふたりはまったく違う環境や価値観の中で生きてきたのだった。空腹感に悩み、孤独感に苛まれる日々の果て。極限状態に追い込まれた男女がやがて選択した愛の形とは…。
プライドの高いヒロイン・恵利香を凛とした佇まいで演じるのは『ラブ・キル・キル』『自由戀愛』の街田しおん。鬱屈した内面を持つもうひとりの主人公・洋平役は『ALIVE』『北の零年』の榊英雄が人間味たっぷりの演技で新境地を見せている。そして孤島に住む中国人・張には『YUMENO』『リンダ リンダ リンダ』などに出演、今が旬の小林且也。洋平の妻・早苗に『肌の隙間』『花と蛇2』で強烈な存在感を残した不二子。またベテランの鈴木一功やベンガルが安定した演技で若手俳優たちをガッチリサポートしている。
極限状態の中で“生きること”を渇望し続ける男女の姿を、激しくも狂おしく、また情感たっぷりと描写した『楽園〜流されて〜』。情報、食料、衣類、そして人間関係。飽和状態の中で暮らす現代人に“生”と“性”のあり方を問う衝撃作。…貴方の“楽園”は何処ですか?
|
|
|
|
|
九州地方のとある小さな漁港。参議院議員選挙に立候補している多々野恵利香(街田しおん)が選挙カーで街宣活動をしていた。地元民には笑顔で接するものの、秘書の緒方(佐藤貢三)たちには傲慢な態度を見せる恵利香。しかし元・県知事の娘にして知名度抜群のアナウンサー、当選確実の彼女には誰もが従うしかなかった。
恵利香と緒方たちは、島に渡っての選挙活動をおこなうため、恵利香の父親の同級生である青梅忠(ベンガル)を訪れ、正忠の所有する小さな漁船をチャーターする。船を操縦するのは忠の息子・洋平(榊英雄)。素っ気無いあいさつを交わす恵利香と洋平。
島に渡った恵利香たちは島の家々を訪ねて選挙活動をおこなうが、昼寝の邪魔をされ不機嫌になった初老の男(鈴木一功)にホースで水を浴びせられる。激怒した恵利香は本土に戻ると言い出し、緒方と忠たちはスケジュールをこなすため、恵利香を洋平に任せて船でほかの島へ向かう。
なかなか戻ってこない緒方たちにイライラを募らせた恵利香は、洋平の制止を振り切って港に繋いであるボートに乗り込む。仕方なく洋平もボートに乗り込み海へ出るが、大海原の真ん中でガソリンが切れてしまう。ヒステリックに叫ぶ恵利香。そして船は流され、やがて小さな島へと流れ着く…。
|
|