
東京で暮らしていた鈴木美咲(田丸麻紀)は、沖縄に移り住んだ恋人・村松浩市(忍成修吾)との新たな生活をスタートさせるため、沖縄へとやって来た。美咲は浩市と彼の友人の渡嘉敷仁成(尚玄)、その息子の仁太に出迎えられ、仁成の漁師仲間の喜屋武秀人(結城貴史)と「おばあ」と呼ばれる彼の祖母(吉田妙子)も加わり歓迎会が開かれる。すっかり日も暮れたころ、「おばあ」は美咲に沖縄に伝わる赤い髪の魔物・キジムナーについて語り始める。美咲は「おばあ」の語る地元の伝承に興味深げに聞き入っていた。
「おばあ」から聞いた伝承に興味を持った美咲は、浩市と一緒に仁成から紹介された女流作家の比屋定影美(エリカ)を訪ねる。沖縄の霊能力者・ユタとしての顔を持ち、伝承に詳しい影美は、美咲に魔物の怖ろしい側面について聞かせるのだった。
南国での平穏な日々にも慣れたある日、美咲は赤い髪をした奇妙な女性を見かける。それは仁成の別れた妻・早苗(菜葉菜)だった。早苗は仁成とのふたり目の子供を流産してから精神不安定となったのだという。2年前、自分の不注意から姉の子供を事故死させてしまった美咲は早苗の心の傷が理解できる気がした。早苗の奇行に怒りを露わにする仁成に、浩市と美咲は早苗との関係修復を勧める。それが怖ろしい悲劇の幕開けになるとは知らずに…。