
ベストセラー作家・渡辺淳一が、男と女の根源的な相違をテーマに、深遠な愛を描いた恋愛小説「愛の流刑地」は、2004年11月から2006年1月まで日本経済新聞で連載され、その過激さゆえ賛否両論を巻き起こし、日本中を“愛ルケ”現象で覆いつくしました。そして同作を完全映画化した映画『愛の流刑地』が2007年、ついにスクリーンに登場します!
監督・脚本は、鶴橋康夫。1962年に読売テレビに入社以後、一貫してドラマ演出を手がけ、「永遠の仔」「砦なき者」などテレビ史に燦然と輝く作品を数多く世に送り出してきました。
そして、激しい恋愛模様を描き出す主人公・村尾菊治と入江冬香を演じるのは、豊川悦司と寺島しのぶ。映画界を代表する演技派のふたりが、文字どおり全身全霊を込めて“菊治と冬香”の愛の軌跡を熱演します。さらに、長谷川京子、仲村トオル、佐藤浩市、陣内孝則、富司純子、津川雅彦など、菊治と冬香を取り巻く様々な人間模様を映し出す、多彩かつ重厚なキャスティングが実現しました。鬼才・鶴橋康夫監督が描く、かつてない大人のラブストーリーにご期待下さい。

ある朝、情事の果てに女性を絞殺した村尾菊治(豊川悦司)が逮捕された。被害者の名は入江冬香(寺島しのぶ)。菊治はかつて恋愛小説の旗手として注目された作家だったが、今では世間から忘れられた存在だった。「愛しているから殺した」――事件を担当する女性検事・織部(長谷川京子)は、菊治の言葉に困惑しながらも真相を追う。菊治は自分のファンだという人妻・冬香と出会い、恋に落ちた。愛されることを知らずに生きてきた冬香。逢瀬の度に心と躰を烈しく求め合うふたり。そして冬香の求めに応じ、菊治は冬香を殺めてしまう。「なぜ男は女を殺したのか、なぜ女は死を望んだのか」―― 織部は疑問を抱えたまま裁判の時を迎える。そして法廷の扉が開かれた。今、愛と死の真相が明らかになる。