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作品スチール

馬頭琴夜想曲

監督:木村威夫
出演:鈴木清順 山口さよこ ほか

2007年7月21日(土)よりシアターイメージフォーラムにてモーニング&レイト・ロードショー

2007年/カラー/デジタル/55分

イントロダクション

 鈴木清順監督『ツィゴイネルワイゼン』『ピストルオペラ』ほか、、黒木和雄、熊井啓など、数多くの映画監督の作品で美術を担当し続けてきた日本映画美術の巨匠・木村威夫。手掛けた作品は200本を越え、まさに日本映画界の至宝と呼ぶべき存在である。2004年から映画監督に挑戦し始めた木村の『夢幻彷徨』『OLD SALMON 海をみつめてすぎた時間』に続く第3作『馬頭琴夜想曲』が完成した。
 原爆をモチーフとし、戦争に対する悲しみを根底に潜ませながら、極彩色の映像と、多様なジャンルの音楽表現を見事に融合させ、あまりにメタフォリカルな、あまりにアヴァンギャルドな世界観を確立した。従来の映像概念を打ち破る懐かしくも新しい映像表現。画面の隅から隅まで目と耳が離せない。
 摩訶幻想空間を浮遊するのは、独特の存在感を持つ映画界のカリスマ鈴木清順と、世界的ファッションモデルで近年は独自のパフォーマンスを展開する山口さよこ。深遠な東洋の神秘を代表するミューズとして脚光を浴び、「SAYOKOマネキン」が世界中のショーウィンドウを飾ったこともある山口さよこの蠱惑的なまなざしは、見る者を魅了する。
 音楽はプロデューサーでもある川端潤が担当。字幕と語りだけの映像と音楽の融合がメインテーマでもある本作。メランコリックで切ない音楽が、作品の世界に広がりを持たせ、見る者の想像力を刺激する。
 撮影監督は『ヨコハマメリー』のプロデューサーを担当した白尾一博。木村威夫の絶対的信頼を得て、これまでの全作品の撮影監督と編集をつとめている。
 齢89にして最先端を走り続ける木村威夫の表現主義者としての集大成、楽しみ方は千差万別。木村威夫は語る。「自由なる発想とその表現に、推理的鑑賞を乞う次第である」と。

ストーリー

 雪の降るある夜、馬頭琴とともに教会に捨てられた赤子。その馬頭琴に見覚えのある修道院長(千秋みつる)は、赤子を世羽(ヨハネ)と名付け、教会で育てることにする。修道院長は、1945年の長崎の原爆で間一髪難を逃れた経験を持つ。彼女が失った多くの人々の中に、馬頭琴奏者のナランさんがいた。彼は被爆し亡くなったが、馬頭琴だけは焼けずに残り、のちに息子が引き取りやって来た。そうして月日は流れ、再び現われた馬頭琴。  やがて赤子は少年(原田光)となり、宇宙に思いを馳せるようになる。生まれつき足の悪かった世羽はある晩、高熱にうなされる。爪弾かれた馬頭琴の音色とともに、夢の扉が開かれた。
 妖艶な賓(まれびと)ザロメ(山口さよこ)。彼女が奏でる馬頭琴が、世羽を時空を越えた世界へ誘う。モンゴルの伝統的な楽器である馬頭琴の調べはモンゴロイドの血筋を受け継ぐ日本人の心を揺さぶり、ついに民族・宗教を越えて愛の奇跡を呼び起こす。

キャスト

  • 世羽:原田光
  • 修道院長:千秋みつる
  • シスター:万琳はるえ
  • 水の精:天羽祐香
  • モンゴルの馬頭琴奏者:バヤラト
  • 修道院長の若いとき:木村紗矢香

  • ヨバネ:鈴木清順(特別出演)
  • ザロメ:山口さよこ(特別出演)

スタッフ

  • 美術思考・原画・監督:木村威夫

  • プロデューサー・音楽:川端潤
  • 撮影監督・編集:白尾一博
  • 照明:宮下昇
  • 美術:林隆/高木理己
  • 演出補佐:古波津陽
  • キャメラオペレーター:山崎大輔
  • サウンドエンジニア:安宅秀紀
  • 録音:久保田雅大
  • 助監督:丹羽篤志
  • 衣裳:篠はづき
  • 衣裳協力:SERIKA
  • タイトル:山崎登
  • デザイン:及川仁/吉岡渉
  • メインビジュアル撮影:大森直
  • ヘアメイク:近藤和
  • アラブ風女の衣裳デザイン:山口さよこ

  • 協力:小椋事務所/オフィスマイティー/シュガーアンドスパイス/今村昌子バレエスタジオ/甲斐浩
  • 応援:日活芸術学院
  • 製作:エアプレーン レーベル/プロジェクト ラム
  • 配給:太秦株式会社+エアプレーン レーベル

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