突如世界を襲った未曾有の大災害“セカンド・インパクト”。この影響で人類の半数近くは死にいたり、世界の各地には大破壊の痕跡が刻みこまれた。やっと平穏な日々が戻ったと思われたとき――14歳の少年・碇シンジ(声:緒方恵美)は父親から第3新東京市へ呼び出されて、出迎えを待っていた。
その眼前の山あいから、巨大な生物が出現する。それは「使徒」と呼ばれる正体不明の存在で、たちまち国連軍と激しい交戦を開始した。爆風に巻きこまれ、危機に陥るシンジ。その命を救ったのは、葛城ミサト(声:三石琴乃)と名乗る女性だった。
ミサトの車で特務機関NERV(ネルフ)の本部へと連れていかれ、シンジは父・碇ゲンドウ(声:立木文彦)と10年ぶりの再会を果たす。しかし、ゲンドウは再会の喜びも見せぬまま、巨大な人型兵器・エヴァンゲリオン(EVA)初号機をシンジに見せると、EVAに乗り込み、使徒と戦うようシンジに強要する。
冷徹な父の態度に反発を覚えたシンジではあったが、重傷を負いながらも出撃しようとする女性パイロット・綾波レイ(声:林原めぐみ)の姿を目のあたりにして、出撃を決意する。なんの訓練も受けないままに、初めて使徒と対峙するEVA初号機のシンジ。
世界の命運を託された14歳の少年シンジは、はたしてどう戦うのか? そして、セカンド・インパクトに隠されたキーワード「人類補完計画」の真実とは?
すべての謎の鍵を握る碇ゲンドウは、シンジの苦闘をじっと見つめている……。
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序
総監督:庵野秀明 監督:摩砂雪/鶴巻和哉
声の出演:緒方恵美 林原めぐみ 三石琴乃 ほか
2007年9月1日(土)より、シネマスクエアとうきゅうほか全国公開
1995年10月に、1本のテレビアニメがスタートした。そのタイトルは「新世紀エヴァンゲリオン」。主人公である14歳の少年・碇シンジは、巨大人型兵器エヴァンゲリオンに乗り込み、謎の存在“使徒”と闘う――。一見、従来のロボットアニメのように見えたこの作品だったが、驚くほど高い映像のクオリティ、斬新なビジュアルイメージ、魅力的なキャラクター、そして謎が謎を呼ぶストーリーが多くの人を惹きつけ、またたく間にアニメファンのみならず世間の注目を集めていった。
テレビシリーズは、1996年3月に驚愕の最終回を迎えたが、その後も「エヴァ」ブームは盛り上がりを続け、翌97年には劇場版が公開された。その熱狂は、それまでアニメブームとは異なった層にまで広がり、社会におけるアニメの位置付けさえも変えていく、まさに社会現象と呼ぶべきものであった。
初放映から12年。いまだに人々の心をとらえ、新たなファンが生まれている「エヴァ」。新たな時代の要望に応え、新たな物語が誕生する。それが“序”“破”“急”“?”からなる『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』全四部作だ。画面も物語も完全刷新し、デジタル時代にふさわしい最先端映像を得て超絶なスケールアップを果たす。これは、リニューアルでもリメイクでも続編でもない。新時代を開拓するための、最新作である。
前編にあたる“序”は旧作とほぼ同じシーンからスタートする。やがて物語が変化し、一新される予兆を秘めつつ、クライマックスでは旧作でも描かれた国家規模のオペレーション「ヤシマ作戦」が現在の映像技術を駆使して描かれる。
原作・脚本・総監督をつとめるのはもちろん庵野秀明。本作は庵野が新たに設立した制作会社・カラーが初めて手掛ける作品である。新作画コンテを担当したのは、旧作にも参加し、近年は監督として『ローレライ』『日本沈没』などヒット作を手掛けた樋口真嗣と、「ラーゼフォン」「交響詩篇エウレカセブン」で注目を集めた京田知己。圧倒的な迫力を持った映像がスクリーン上に展開される。
新劇場版の導入である本作“序”に続き、2008年公開予定の“破”では新たなエヴァシリーズや新キャラクターも登場。キャラクターの運命も旧作とは違った方向に動き始める。そして来るべき完結編である“急”“?”2部作の結末は、誰も知らない――。
- 碇シンジ:緒方恵美
- 綾波レイ:林原めぐみ
- 葛城ミサト:三石琴乃
- 赤木リツコ:山口由里子
- 碇ゲンドウ:立木文彦
- 冬月コウゾウ:清川元夢
- 原作・脚本・総監督:庵野秀明
- 監督:摩砂雪/鶴巻和哉
- 主・キャラクターデザイン:貞本義行
- 主・メカニックデザイン:山下いくと
- 新作画コンテ:樋口真嗣/京田知巳
- 演出:原口浩
- 総作画監督:鈴木俊二
- 作画監督:松原秀典/黄瀬和哉(プロダクション I.G)/奥田淳/森山ゆうじ
- メカニック作画監督:本田雄
- 特技監督:増尾昭一
- 美術監督:加藤浩/串田達也(美峰)
- 色彩設定:菊地和子(Wish)
- 撮影監督:福士享(T2スタジオ)
- CGI監督:鬼塚大輔/小林浩康
- 編集:奥田浩史
- 音響制作:楽音舎
- 効果:野口透(アニメサウンド)
- 音楽:鷺巣詩郎
- テーマソング:「Beautiful World」宇多田ヒカル(EMI Music Japan Inc.)
- 製作:カラー
- 制作:スタジオカラー
- 配給:クロックワークス/カラー
- 配給協力・宣伝:日活