太平洋戦争が終わって10年余りが経過した昭和31年の春。
東京・深川の木場の小学校に、坂本理恵子(声:花村さやか)という若い教師が赴任してきた。ときを同じくして、6年4組には神戸からの転校生・宮永志津(声:河口舞華)がやってくる。歌手になるという夢を持ち、明るく可愛く、スポーツも勉強もできる志津はたちまちクラスの人気者になる。そんな志津を、学級委員長でクラスの中心的存在である建具屋の息子・アキラ(声:関根直也)も強く意識するようになる。
坂本先生は、年末に開かれる地区合唱大会での優勝を目標に掲げ、6年4組からは志津に加え、志津と仲の良い君代やヒカル、ヤヨイ、そしてアキラや秀才のハカセがメンバーとして選ばれる。ガキ大将のゴン、アキラの遊び仲間のヨシオやテルをはじめメンバーに選ばれなかった同級生たちも、合唱大会への参加に胸を躍らせる。
しかし、アキラやゴンたちが起こしたある「事件」が発覚し、教師たちの厳しい判断で合唱大会への参加は中止となってしまう。アキラと志津の間には溝ができ、そのまま夏休みとなってしまう。そして、さらに悲しい出来事がアキラたちを待っているのだった――。
ふるさと−JAPAN
監督:西澤昭男
声の出演:関根直也 河口舞華 木村昴 花村さやか ほか
4月7日(土)よりユナイテッドシネマ豊洲ほかにてロードショー
ヨーロピアンビスタサイズ/ドルビーデジタル/98分
時代は昭和31年――経済白書で「もはや戦後ではない」と宣言され、街は神武景気で活気付き、年末には国際連合への亀井が決まって日本が新たな一歩を踏み出した年であった。そして舞台は当時の典型的な東京の下町であり、今はもうなくなってしまった深川の木場。ワオ・コーポレーションの製作による劇場アニメ第2弾『ふるさと―JAPAN』は、この“時代”と“場所”を背景に、童謡を歌い継いでいこうとする教師と子供たちの“魂の絆”を描いた物語である。前作『NITABOH 仁太坊−津軽三味線始祖外聞』での津軽三味線に続き、今回は童謡・唱歌というアニメーションでは描きにくい題材をあえてモチーフに選び、エンターテイメント的要素に加えて実写に近い「人間ドラマ」を描くという困難な に挑戦している。
脚本・監督には前作『NITABOH』でリール・トゥー・リアル国際映画祭のベスト・ピクチャー賞、リヨン・アジア映画祭のベストアニメ映画賞1位を受賞した西沢昭男が再び挑んだ。スタッフには総作画監督の釘宮洋や、美術監督・工藤ただし、音楽監督のクリヤ・マコトら前作『NITABOH』に参加した主要メンバーの多くが再結集。さらに演出には『ポケットモンスター劇場版』の飯島政勝を迎え、充実した作画監督陣、撮影、CGスタッフらが心血を注ぎ、物語展開、映像の両面で前作を上回るクオリティの『ふるさと−JAPAN』が完成した。
本作は世界各国のアニメーション作品が集まる第12回リヨン・アジア映画祭のアニメーション部門において、日本から出品された『パプリカ』『鋼の錬金術師』とともに最終ノミネートされ、グランプリ受賞という快挙を達成している。
- アキラ:関根直也
- 志津:河口舞華
- ゴン:木村昴
- ヤヨイ:小薗江愛理
- ヒカル:高田奈々
- 君代:本田重実
- ハカセ:熊谷健吾
- テル:神楽哲也
- ヨシオ:桑原成吾
- 坂本理恵子:花村さやか
- 坂本先生の兄:鈴木正和
- 池野校長:岩田安
- 水野先生:樋渡宏嗣
- 秋山先生:上田陽司
- 滝井先生:てらそままさき
- アキラの父:土師孝也
- アキラの母:よのひかり
- アキラの姉:中村るみ
- アキラの妹:永嶌花音
- 志津の父:塾一久
- 志津の母:園田恵子
- 演出:飯島正勝
- キャラクターデザイン・総作画監督:釘宮洋
- 作画監督:伊藤岳史/野口寛明/東出太/平山智/安留雅弥/吉崎誠
- 絵コンテ:古谷渓一郎
- 美術監督:工藤ただし
- 撮影監督:吉田光伸
- CGディレクター:八木下浩史
- 編集:後藤争司
- 音楽監督:クリヤ・マコト
- 音響監督:塩谷翼
- 音響効果:倉橋静男
- 制作プロデューサー:石原直樹
- 童謡合唱:杉並児童合唱団/たんぽぽ児童合唱団/森の木児童合唱団
- エンディング・テーマ曲:KOKIA「歌う人」(ビクターエンタテインメント)
- 挿入歌:美空ひばり「東京キッド」(コロムビアミュージックエンタテインメント)/新垣勉「荒城の月」(アットマーク)
- 企画/公式ウェブサイト制作・プロデュース:西澤真佐栄
- ゼネラルプロデューサー:村上匡宏
- 監督・脚本:西澤昭男
- 製作:ワオ・コーポレーション
- 制作:ワオワールド
- 配給協力:シナジー
- 配給:AMGエンタテインメント