16[jyu-roku]
監督:奥原浩志
出演:東亜優 柄本時生 小市慢太郎 ほか
2007年5月26日(土)より渋谷シネ・ラ・セットにてロードショー
2007年/日本/デジタル作品/76分
ひとりの少女が、女優になるために親元を離れ上京してきた。ひとりぼっちで歩く街。初めての仕事、初めてのひとり暮らし、そして初めての、ちいさな恋…。“憧れ”と“現実”の間で揺れながら、少女は“日々”を歩いていく。サキ、16歳。知らない街で、ひとりぼっち。
タナダユキ監督作『赤い文化住宅の初子』(07)からスピンオフして1本の映画が生まれました。主演・東亜優の上京から『赤い文化住宅の初子』の撮影までのエピソードがベースになって作られた本作は、女優を目指しひとりで歩き始める少女が経験する希望や淋しさをやさしく描き出した、心温まる物語です。
監督は『タイムレスメロディ』(99)『波』(01)をはじめとし、前作『青い車』(04)でも、ロッテルダム国際映画祭、香港映画祭などに招待され、常に海外から高い評価を受け続けている奥原浩志。心の揺れを繊細に描き続けてきた奥原監督は、本作で、期待と不安を胸に抱いた少女がふいに見せるきらめきの瞬間を、やさしいまなざしを持って包み込みました。
主人公サキを演じるのは、第29回ホリプロタレントスカウトキャラバンで審査員特別賞を受賞し、TBS愛の劇場「吾輩は主婦である」の好演も記憶も新しい東亜優。彼女の、幼さの中に同居する強さと、16歳という年齢こそが持つ美しさ。主演に抜擢された『赤い文化住宅の初子』で見せたあどけない初々しさから半年後。少女から少しだけ大人へ近づきつつある彼女の、ありのままの姿が魅力となって溢れ出しています。
サキの幼馴染みのヤマジには「4TEEN」(廣木隆一/04)『幽閉者(テロリスト)』(足立正生/07)の柄本時生が扮し、青春時代に感じる孤独と憂いを繊細に表現。サキが憧れを抱く俳優に『紙屋悦子の青春』(黒木和雄/06)の松岡俊介。サキを見守るマネージャー役に小市慢太郎をはじめ、日本映画界の名バイプレーヤーである渡辺真紀子、諏訪太朗、徳井優など、16歳のサキを、ときに優しく、ときに厳しく見守る“大人”たちが出演しています。
そして、エンディングテーマで16歳の少女のとまどいと希望をうたうのは、繊細かつ凛とした歌声が印象的な木下美紗都。そのやさしく透きとおるような歌声と、cubic musicレーベルを中心に国際的に活動する杉本佳一が紡ぎ出すアンビエントな音楽は、サキが田舎から旅立つ時の切なさや、東京でのとまどいと希望を、やさしく空気のように包み込みます。
- 東亜優
- 柄本時生
- 小市慢太郎
- 諏訪太朗
- 宮田早苗
- 徳井優
- 伊藤清美
- 紺野千春
- 渡辺真起子
- 松岡俊介
- 脚本・編集・監督:奥原浩志
- エグゼクティブプロデューサー:片岡正博/相原裕美
- 企画プロデュース:越川道夫
- プロデューサー:小林智浩/佐藤央/小室隆之
- 撮影:橋本清明
- 照明:村田暁彦
- 録音:清水修
- 整音・効果:菊池信之
- 企画協力:ホリプロ
- 音楽協力:HEADZ
- 音楽:杉本佳一
- エンディングテーマ:「梅の花」木下美紗都「海 東京 さよなら」より(WEATHER/HEADZ)
- 製作:トライネットエンタテインメント/ビクターエンタテインメント/スローラーナー
- 配給:スローラーナー