
山古志村に住む石川家は、優一(船越英一郎)と、その子供の亮太(広田亮平)、彩(佐々木麻緒)、祖父の優造(宇津井健)の4人家族。早くに母を亡くした一家のため、ときどき街から母の妹・冴子(松本明子)が子供たちの面倒を見にやって来ていたが、彩は顔すら覚えていない母への想いを募らせていた。そんな石川家にある日、新たな仲間が加わる。生まれたばかりの子犬・マリだ。亮太と彩は一生懸命にマリを育て始める。
2004年、成長したマリは3匹の子犬を産む。新たな生命の誕生に喜ぶ石川家だが、喜びはつかの間だった。10月23日、新潟県中越地震が発生。仕事で村を離れていた優一と学校に行っていた亮太はかろうじて難を逃れるが、家にいた彩と優造は崩れた家の下敷きになってしまう。マリはふたりを助けようとするが、マリの小さな体ではふたりの上に覆いかぶさる大きな梁をどうすることもできない。マリは怪我をしたふたりのそばで、ずっと励まし続けるのだった。
やがてやって来た自衛隊により、彩と優造はがれきの下から救い出される。しかし、多くの人々が救援を待つ中で、人命優先のため、マリたちをヘリに乗せることはできず、マリと3匹の子犬は村に取り残される。悪天候が続き、餌もない中、子犬を危険から必死に守るマリ。
そして長岡市の避難所では、彩と亮太がマリたちを助けられなかったことに胸を痛め、無事を願っていた。嵐の接近情報を聞いた彼らは、マリたちを助けに行くことを決意する。それぞれが大切なもののため、大きな力に立ち向かっていく……。