
爆発すれば全日本国民を未曾有の危機に陥れる特殊爆弾を搭載した米軍ステルス型戦略爆撃機──通称"ミッドナイト イーグル"が北アルプス山中で忽然と姿を消した。猛吹雪のために陸の孤島と化した雪山で繰り広げられる、戦後最大の危機をめぐる男たちの壮絶な戦い。愛するものを守るため、過去への悔恨から立ち上がり、戦場カメラマンは過酷な決断を自らに課す。そして彼への憎悪と愛の狭間で揺れる女性記者は、彼の悲運に慟哭し、この国の運命を見つめる。映像化は絶対に不可能と言われてきた作家・高嶋哲夫の同名小説がついに完全映画化。迫力の山岳サスペンス・アクションに、切ないラブストーリーが融合し、まったく新しい興奮と感動のエンタテインメント超大作が誕生する。
主人公の戦場カメラマン・西崎優二を演じるのは数多くの感動作、話題作への出演で、今や日本映画界を代表する俳優となった大沢たかお。西崎を憎みながらも特別な想いを寄せる義妹で週刊誌「WISW」の記者・有沢慶子には豊かな演技力、存在感で女優としての地位を揺るぎないものにしている竹内結子。西崎とともに北アルプスの戦闘に巻き込まれる高校の後輩で新聞記者の落合信一郎には若手ナンバーワンの呼び声が高い玉木宏。自衛隊特別編成部隊の隊長・佐伯三等陸佐にリアリティーのある演技が高く評価されている吉田栄作。内閣危機管理監・冬木に袴田吉彦。斉藤三等陸佐に大森南朋、週刊誌「WISE」編集長・宮田に石黒賢。そして苦悩する内閣総理大臣・渡良瀬隆文には、全スタッフがこの人しかいないと出演を願った藤竜也。個性豊かで豪華な出演陣が顔を揃えた。
極寒の北アルプス山岳シーンでは、日本を代表する登山家・小西浩文氏がアドバイザーとして参加。キャスト・スタッフ陣は雪山での山岳訓練を積み重ねて撮影に臨み、日本映画では1958年の『氷壁』以来、約50年ぶりとも言われる本格山岳映画が誕生した。さらに防衛省および陸上自衛隊・航空自衛隊の全面協力によりリアリティーあふれるダイナミックな映像がスクリーンに展開される。
監督は『油断大敵』『フライ、ダディ、フライ』でその演出力を高く評価された成島出。脚本は『ホワイトアウト』『亡国のイージス』の長谷川康夫・飯田健三郎、そして編集にウィリアム・アンダーソン、撮影に山本英夫、録音に小野寺修など、各映画賞でおなじみの一流のスタッフが渾身の力を込めて挑んだ。
日本映画史上に残るであろうこの作品は、必ずや観る者に新鮮で大きな興奮と感動を届けてくれるに違いない!

厳冬の北アルプス上空で、極秘任務を帯びた米軍の戦略爆撃機、通称“ミッドナイト イーグル”が忽然と姿を消した。機内に搭載されているのは“特殊爆弾”。もし起爆すれば日本全土が未曾有の惨禍に見舞われる。内閣総理大臣・渡良瀬隆文(藤竜也)は国家安全保障会議を緊急招集、自衛隊の特別部隊を編成し、機体回収へと向かわせた。だが彼らを待ち受けていたものは……。敵国工作員の激しい銃火の中、今まさに日本のど真ん中で、「戦争」が始まろうとしている───。
そのとき、西崎優二(大沢たかお)は北アルプスにいた。かつて世界中を駆けめぐり、生と死の現実を写し続けた戦場カメラマン。今は人生を見失い、山中でひとり星空へ向けシャッターを切り続けていたが、轟き渡る無数の銃声と白銀を赤に染める兵士たちの鮮血に、再びカメラを「戦場」へと向ける。
一方、病気で亡くなった西崎の妻・志津子の妹・有沢慶子(竹内結子)は、東京で雑誌の契約記者として働いていた。妻の病に気付かなかった西崎を心から憎んでいる慶子は、姉の死から2年経った今も西崎を許さず、姉の遺した息子を引き取り育てていた。
そして運命は、このふたりの上にさらに過酷な形で降りかかる。猛吹雪の中、西崎は、後輩の新聞記者・落合信一郎(玉木宏)、自衛隊員・佐伯昭彦三等陸佐(吉田栄作)とともに“ミッドナイト イーグル”へ向かう。東京ではそのころ、ある事件を追っていた慶子が、ひとりの工作員から北アルプスで起こりつつある、恐るべき事態の真相を聞き出していた。
愛する者の命を守るため、人生を賭して戦い続ける西崎。ジャーナリストとして最後まで眼前の事実を世に伝えようとする落合。自衛隊員として自らに課された職務を全うすべく、懸命に歩を進める佐伯。苦悩する首相・渡良瀬は、この3人の男たちに日本の未来を託す。そしてすべての運命を左右する事件の「鍵」を、ついに慶子が手にする───。