
いまや日本だけでなく世界にも活動の場を広げる人気ポップス・グループDREAMS COME TRUE。その楽曲の中でも特に人気の高い珠玉のラブソング「未来予想図」「未来予想図II」の2曲をもとにした映画が誕生した。
映画『未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜』は、ヒロイン・さやかと恋人・慶太の10年にわたる恋愛を軸に、誰もが抱える「伝えたいけど、伝えられない」想いの大切さを描く。
さやかを演じるのは、ドラマ、CMなどでの活躍に加え、ピアニスト、歌手としての活動も好調の松下奈緒。恋人の慶太には、テレビ「仮面ライダー剣」で人気となった若手俳優のホープ・竹財輝之助を抜擢。さらに、弓削智久、原田泰造、西田尚美、関めぐみ、加藤雅也、石黒賢、松坂慶子と、気鋭の若手からベテランまで、豪華な顔ぶれが作品を彩る。
監督は、鈴木清順、伊丹十三、平山秀幸など多くの監督の作品で助監督をつとめ、本作が長編初監督となる蝶野博。たしかな演出力で、ひと組の男女の間に生まれるドラマを見事にスクリーン上で表現している。
そして多彩なロケ地もこの映画の魅力のひとつだ。荘厳なサクラダ・ファミリアをはじめとするスペインの風景や、横浜の新名所・ベイクォーターでのクライマックスシーンがハートウォーミングな物語を飾る。
主題歌はもちろん、DREAMS COME TRUEが本作のために書き下ろした新曲「ア・イ・シ・テ・ルのサイン 〜わたしたちの未来予想図〜」。新たな“ア・イ・シ・テ・ルのサイン”も登場するこの曲が、作品全体を包み込むように優しく響く。

1997年。大学生の宮本さやか(松下奈緒)と福島慶太(竹財輝之助)は、友人の平尾稔(弓削智久)が監督する自主映画の新郎新婦役に駆り出されたのをきっかけに親しさを増していく。やがて恋人となったふたりは、慶太が尊敬する建築家・ガウディを生んだスペインを卒業旅行で訪れ、いつかまた一緒にこの地を訪れることを約束するのだった。
大学卒業後、印刷会社のOLとして働いていたさやかは、仕事にやりがいを見出せないでいた。建築事務所で働く慶太の言葉に後押しされ、大学時代の目標であった雑誌編集者をもう1度目指し、転職活動を始める。その熱意を出版社の後藤(石黒賢)に認められ、編集部で働き始めるさやか。同じころ、慶太は上司からスペイン行きを勧められていた。スペインに行ったら数年は帰ってこられない。出会いから5年、それぞれの夢を追うふたりの未来予想図は、いつの間にか違うかたちになっていた……。
2007年。編集者として活躍するさやかは、“恋が叶う花火”を作ると話題となっている花火職人・井上拓己(原田泰三)の取材を企画していた。かたくなに取材を拒否する拓己のもとを訪ねたさやかは、拓己と妻の苑(西田尚美)の間に横たわる問題を知ることになる。そんなとき、妹のあすか(藤井美菜)から故郷で暮らす母・陽子(松坂慶子)が病気で手術を受けるという連絡が入る。
忙しく過ごす日々の中でなにかを見失っていたのではないか。さやかは自分を見つめ直すため、スペインに行くことを決意する。そして――。