
1971年にテレビ放映が開始された「仮面ライダー」は、変身ヒーローの代名詞として現在まで続く人気シリーズである。そのシリーズの原点である仮面ライダー1号・本郷猛と仮面ライダー2号・一文字隼人の物語を、石ノ森章太郎の原作漫画をベースに現代の視点を取り入れ、2005年に製作された『仮面ライダー THE FIRST』は大きな反響を呼んだ。そして続編を望む声に応え、さらなる展開が構想された。《伝説的原点》を、《話題の前作》を超えた“NEXTステージ”の「仮面ライダー」映画を創る。こうして始動したのが本作『仮面ライダー THE NEXT』なのである。
本作では前作に引き続き登場するふたりのライダーに加え、第3の男、仮面ライダーV3・風見志郎が登場する。仮面ライダー史上最高視聴率を記録した人気作品「仮面ライダーV3」(1973年)の主人公であるV3の登場は、本作のボルテージを一気に高めることになる。
新登場のV3は前作同様、オリジナルを尊重しながら現代的解釈を加えてリファイン。さらに1号・2号のデザインもブラッシュアップがおこなわれ、映画では描かれなかった2年間のドラマをも感じさせる。
前作に引き続き仮面ライダー1号・本郷猛を演じるのは、ヒット作に次々と出演、俳優としてのキャリアを着実に伸ばしている黄川田将也。仮面ライダー2号・一文字隼人には、クールなヒーローから時代劇まで幅広く演じる高野八誠が、やはり前作に引き続き出演。そして新登場の仮面ライダーV3・風見志郎は、TVシリーズ「仮面ライダーカブト」で仮面ライダードレイク・風間大介を好演し、歌手としても活躍する加藤和樹が演じる。さらに、ヒロイン菊間琴美には『ミラーマンREFLEX』など本格派女優として注目を集める石田未来。もうひとりのヒロインで事件の中心となるアイドルChiharu を演じるのは「仮面ライダー響鬼」の持田ひとみ役など幅広く活躍する森絵梨佳。また、ショッカー首領の声は初期TVシリーズでも首領の声を演じた納谷悟朗が担当、旧作ファンにはこたえられないキャスティングとなっている。
本作を見事にまとめ上げた監督は、平成仮面ライダーシリーズのメイン監督のひとりであり、『小さき勇者たち 〜GAMERA〜』では怪獣映画をジュヴナイルとして描くなど、その手腕に定評のある田崎竜太。脚本は前作に引き続き、平成ライダーシリーズはじめ、テンポ良い展開で数多くの作品を手掛けてきた井上敏樹。目を見張るアクションを担当したのは前作から続投のアクション監督・横山誠。米国版戦隊シリーズ「POWER RANGERS」からのコンビとなる田崎監督とともに、日本映画を遥かに超えるアクション映像を見せつける。
インパクトあふれるアクションに加え、本作ではホラー映画の要素も盛り込まれ、仮面ライダー誕生当初の「怪奇性」を感じさせる。キャラクター、ストーリー、アクション、怪奇。強烈なポテンシャルを持つ素材を、最高のスタッフとキャストが圧倒的な迫力の映画に結晶させたのが『仮面ライダー THE NEXT』なのである。

本郷猛(黄川田将也)は改造人間である。彼を改造したショッカーは、世界征服を企む秘密結社であった。超人的な能力でショッカーの任務を遂行していた猛だったが、自我に目覚め、仮面ライダーとしてショッカーの陰謀を阻止する戦いを始めたのだった。
猛の戦いが始まってから2年の月日が流れた。世間では、顔が切り刻まれた惨殺死体が次々と見つかるという事件が起きていた。やがて、惨殺死体の発見現場には、いつも超人気アイドル・Chiharu(森絵梨佳)の曲が流れているという噂が広まり始める。
高校生・菊間琴美(石田未来)は、連絡が取れなくなった親友のChiharuの身を案じていた。その前に異形の怪人・チェーンソーリザードと6人の仮面ライダー・ショッカーライダーが現れる。危機に直面した琴美を救ったのは、彼女の学校の教師である本郷猛だった。
猛と琴美は、Chiharuの兄で新進IT企業の若き社長・風見志郎(加藤和樹)のもとを訪ねる。しかし、志郎はショッカーのナノロボットにより改造されていたのだった。変身した志郎はショッカーライダーとともに猛に襲い掛かる。奮闘する猛だが、ついに窮地に追い込まれてしまう。そこにもうひとりの仮面ライダーが現れる。かつては本郷猛抹殺を命ぜられながらも、猛とともにショッカーに反旗を翻した男、一文字隼人(高野八誠)であった。
ショッカーは大量のナノロボットを使って日本すべてを標的とした改造計画を実行しようとしていた。猛と隼人はこの陰謀を阻止できるのか? 志郎は妹・Chiharuの真実にたどり着けるのか。すべてを決する戦いは、もう目の前に迫っていた――。