サウスバウンド
監督:森田芳光
出演:豊川悦司 天海祐希 北川景子 松山ケンイチ ほか
2007年10月6日(土)より新宿ガーデンシネマほか全国ロードショー
2007年/カラー/ビスタサイズ/ドルビーSRD/114分

“精神科医伊良部一郎シリーズ”などで人気の直木賞作家・奥田英朗。その直木賞受賞後初の作品となるベストセラー小説「サウスバウンド」が、森田芳光監督のメガホンにより映画化を果たした。
どんな相手にもおかしいと思ったことには「ナンセンス!」と意義を唱える上原一郎。そんな父を恥ずかしく思っている子供たちだが、南の島で今まで気づかなかった両親の強さに気づきはじめる――。
『家族ゲーム』『間宮兄弟』と、不器用だけどまっすぐで人間味あふれる「家族」、そして「時代」を描き続ける森田監督が、原作の持ち味をさらにスケールアップ。東京から沖縄まで大ロケーションを敢行、パワーとソウルあふれる娯楽作品を完成させた。
強引だけど正しくて温かい父・一郎を演じるのは、あらゆるジャンルで圧倒的な存在感を見せる豊川悦司。一郎の一番の理解者で行動力は彼以上の母・さくらには『バッテリー』でも母親役を好演した天海祐希。長女・洋子には『間宮兄弟』に続き森田作品出演となる北川景子、長男・二郎には本作がデビューとなる田辺修斗、妹・桃子には笑顔が魅力の松本梨菜が扮し、個性あふれる“家族”が誕生した。さらに洋子にほのかな想いを寄せる巡査に松山ケンイチ、さくらの母に加藤治子、そして平田満、吉田日出子など、幅広いキャスティングもみどころのひとつだ。
主題歌「永遠の詩」を歌うのは、自身の主演作『NANA』以外では初の映画主題歌となる中島美嘉。作詞はTHE BOOM、GANGA ZUMBAのボーカリストであり、近年は海外での活動も目覚ましい宮沢和史。このふたりの強力なコラボレーションによる極上の楽園ミュージックが映画のエンディングを飾る。

小学6年生の二郎(田辺修斗)は、父・一郎(豊川悦司)と母・さくら(天海祐希)、姉の洋子(北川景子)、妹の桃子(松本梨菜)の5人家族。二郎は父親の極端な行動が悩みの種だった。「税金を払うのは国民の義務です」という区役所のおばさん(吉田日出子)に対しては「だったら国民やめちゃおっかな〜」と切り返し、修学旅行の積立金が高いと思えば「学校と旅行会社の癒着か?」と学校に乗り込んでくる。とにかく過激で恥ずかしい!
そんなある日、中学生の不良・カツから母親の悪口を言われた二郎は、カツを殴り怪我を負わせてしまう。校長(平田満)や少年課の刑事までが家に押しかけ矢継ぎ早に質問を投げかけるが、一郎は少しも動じない。そして怒鳴り込んできたカツの父親にも臆することなく、近所の人たちの見る前でつかみ合いの乱闘を始める始末。しかし、そのとき二郎は気づきはじめていた。一郎が決して間違ったことを言っていないことに…。
その騒ぎのあった日の夕食時、突然さくらが宣言する。「我が家は沖縄の西表島に引っ越すことにします!」。まともだと思っていた母親の、父以上に過激な主張。二郎と桃子は戸惑いつつも一郎の故郷である沖縄へ。そこで二郎たちは、今まで知らなかった父の姿、母の姿を見ることになるのだった――。