天下を統べる者を失い、たび重なる合戦の果てに下克上がまかりとおり、力ある者も野盗に堕して無法が横行する戦乱の時代――。はるか中国大陸から身よりを亡くしたひとりの少年が、禅僧“祥庵”(声:竹中直人)に連れられて海をわたり、日本へとたどり着いた。その名は“仔太郎”(声:知念侑李)。
だが、仔太郎の身体に隠された驚くべき秘密を求め、明国(みんこく)の謎の武装集団もまた、追撃の上陸を果たしていた。祥庵の庇護も失い、天涯孤独となって愛犬・飛丸と赤池の国・白土の万覚寺を目ざす仔太郎は、とある荒寺で自らの名を捨てて刀を封印した奇妙な剣士“名無し”(声:長瀬智也)と巡り逢った。大陸の刺客に襲われ、危ういところを名無しに救われた仔太郎。不敵な笑みを浮かべる浪人と他人を拒む少年は、最初こそ互いに反目を覚えたものの、やがて道中をともにすることになっていく。
一方、追っ手の大陸勢で頭目を務める老人・白鸞(びゃくらん)は、赤池城領主と追撃の連携を取りながらも、仔太郎を捕らえた後に行う怪しい儀式の準備を始めていた。その一味の中でも異彩を放つ金髪碧眼の剣士“羅狼”だけは、一味の最終目的を意に介せず、命令に従いつつも、ひたすら強い相手を求めて己の刃をふるい続けていた。
やがて仔太郎の秘密は、あまたの野心を触発し始め、数々の思惑が激流となって人びとを巻きこんでいく。旅の中で互いを認めあい、絆を深めていく名無しと仔太郎。互いの実力に引き寄せられていく羅狼と名無し。宿命の縁に結ばれたふたりの漢(おとこ)が、刃を交えるときが迫っていた……。
ストレンヂア 無皇刃譚
監督:安藤真裕
声の出演:長瀬智也 知念侑李 竹中直人 山寺宏一 ほか
2007年9月29日(土)全国ロードショー
2007年/カラー/35mm/ヴィスタサイズ/DTS/102分
統べる者なき乱世――。上に立つ「皇」(おう)を求めず、自らも「皇」になろうとせず、ただ一途に己の「刃」だけに殉じた男たちがいた。これは《皇無き時代》に生きた証、「刃」の交わりにまつわる「譚(物語)」である。
乱世に名を捨て自ら抜刀を封じた浪人“名無し”と、明朝に刺客として仕えながらも充たされぬ思いを抱く金髪碧眼の剣士“羅狼(らろう)”。謎を秘めた少年“仔太郎”をめぐって、世俗から隔絶したふたりの異邦人《ストレンヂア》が、宿命の激突へと向かう! 頼みとするは剣の腕のみ。斬って斬って斬りまくる、息をもつかせぬ日本刀アクションの連続。すさんだ世に、ふと結ばれる孤独な魂の輝き。実写では表現不可能な躍動感と繊細なドラマが、超絶のハイクオリティ映像で眼前に展開する。
主人公の剣士“名無し”を声優初挑戦の長瀬智也が熱演。仔太郎役はジャニーズJr.の知念侑李、仔太郎を助ける僧・祥庵は竹中直人が好演。さらに、山寺宏一、大塚明夫、石塚運昇、坂本真綾たち実力派声優陣が多数参加し、重厚な演技で世界観を固める。音楽は『海猿』、『ALWAYS 三丁目の夕日』など数々の映画を手がける佐藤直紀。
2005年に公開されヒットを記録した『劇場版鋼の錬金術師 シャンバラを征く者』に続き、アニメスタジオ・ボンズが全精魂をこめて世に送り出す「漢(おとこ)の長編映画」。最大最強スケールの譚(物語)が、アニメーションの世界から出陣する!
- 名無し:長瀬智也
- 仔太郎:知念侑李
- 祥庵:竹中直人
- 羅浪:山寺宏一
- 領主:石塚運昇
- 重郎太:宮野真守
- 萩姫:坂本真綾
- 将堅:大塚明夫
- 原作:BONES
- 監督:安藤真裕
- 脚本:山文彦
- 人物設計:斎藤恒徳
- 作画監督:伊藤嘉之
- 美術設計:竹内志保
- 美術監督:森川篤
- 色彩設計:中山しほ子
- 撮影監督:宮原洋平
- 音楽:佐藤直紀
- 音響監督:若林和弘
- プロデューサー:南雅彦
- アニメーション制作:ボンズ
- 製作:「ストレンヂア」製作委員会
- 配給:松竹