フリーライターの「俺」(伊勢谷友介)は、「月刊 黒い本」の美人編集長(水野美紀)から、仮死体験ができるという“死にモドキ”を探し、死後の世界をルポするように依頼される。ルポが締め切りに間に合わなければ編集長に半殺しにされる。「俺」はしぶしぶ、アル中のオルゴール職人のエンドー(松尾スズキ)を相棒に、“死にモドキ”を探すあてのない旅に出る。
まずは以前に“死にモドキ”を探していたというカメラマンの真島(松重豊)のアパートに向かうが、部屋に真島の姿はなく、行方が知れない。おまけにヤクザの連中も真島を探しているらしい。
ふたりは、道中で知り合った元SM嬢でリストカットマニアのサヨコ(菊地凛子)や、ヤクザの“目玉のおっちゃん”(岩松了)とその弟分のチョロリ(ふせえり)を仲間に加え、奇妙な人々に遭遇しながら“死にモドキ”の手がかりを探す旅を続ける。
刻々と迫る締め切り。果たして誰も見つけたことのない“死にモドキ”は見つかるのか? 命を懸けた「俺」のルポは完成するのか?
図鑑に載ってない虫
監督:三木聡
出演:伊勢谷友介 松尾スズキ 菊地凛子 ほか ほか
2007年6月、テアトル新宿ほかにてロードショー
2007年/日本/カラー/35mm/アメリカンビスタ/DTSステレオ/103分
2005年に公開された『イン・ザ・プール』『亀は意外と速く泳ぐ』で映画界に“脱力系”ブームを巻き起こした三木聡。メイン監督をつとめた2006年放送のテレビドラマ「時効警察」では高視聴率を記録し、続編「帰ってきた時効警察」も好調なスタートを見せている。“小ネタの天才”の異名をとる鬼才の、待望の監督最新作がついに登場する!
『図鑑に載ってない虫』は、ルポライターの「俺」が謎の“死にモドキ”を探して奇妙な人物と出会っていくというロードムービーのスタイルで描く、なにが飛び出すか予測不可能のマジカルサスペンス。一見、ストーリーに関係ないような小ネタを交えながら物語を構築し、気づくとしっかり作品全体を包む笑いの味付けに成功している、誰も真似できない笑いのスタイル。オリジナル脚本で臨んだ本作でも三木マジックは健在だ!
ルポライターの「俺」を演じるのは、『雪に願うこと』『嫌われ松子の一生』など出演作が目白押しの人気俳優・伊勢谷友介。普段はコメディには出演しない彼が三木演出に惚れ込み、ほかの作品での演技とは一転、笑いのために“壊れる”ことに挑戦した。「俺」とともに“死にモドキ”を探す相棒のエンドーを演じるのは、大人計画の主宰で演出家・俳優としても人気の松尾スズキ。三木作品には『イン・ザ・プール』に続いての出演だが、奇妙なパワフルさは前作以上に増している。ふたりと行動をともにする自殺願望のある元SM嬢のサエコは、『バベル』でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされ、一躍世界のシンデレラガールとなった話題の女優・菊地凛子が演じる。いつもド派手な鯉のぼりのシャツを着こなす“目玉のおっちゃん”とその弟分のチョロリには、三木作品には欠かせない岩松了とふせえりが扮し、絶妙の掛け合いを見せる。
そして“死にモドキ”の手がかりを持つカメラマンに三木作品常連の松重豊。美人編集長には水野美紀。さらに、村松利史、三谷昇、笹野高史、片桐はいり、渡辺裕之、高橋恵子など、個性的なキャストが集結した。
- 俺:伊勢谷友介
- エンドー:松尾スズキ
- サヨコ:菊地凛子
- 目玉のおっちゃん:岩松了
- チョロリ:ふせえり
- 美人編集長:水野美紀
- 真島:松重豊
- モツ煮込み屋の親父:笹野高史
- 種田師匠:三谷昇
- 船長:渡辺裕之
- 半分男:村松利史
- SMの女王様:片桐はいり
- サヨコの母親:高橋恵子
- 監督・脚本:三木聡
- 製作:相原裕美/大村正一郎/高野力/木幡久美/宮崎恭一
- プロデューサー:原田典久/渋谷保幸/佐藤央
- 協力プロデューサー:林哲次
- ラインプロデューサー:鈴木剛/姫田伸也
- 企画協力:市倉久至
- 音楽:坂口修
- 撮影:小松高志
- 照明:松岡泰彦
- 録音:永口靖
- 美術:丸尾知行/中川理仁
- 編集:高橋信之
- VE:鏡原圭吾
- キャスティング:森万由美
- 助監督:遠藤健一/天野修敬
- 制作担当:若林雄介/田口雄介
- 主題歌:ナイス橋本「夏の手紙」(スピードスターレコーズ)
- オープニング曲:ブライアン・セッツァー「EVERYBODY'S UP TO SOMETHIN'」 制作プロダクション:葵プロモーション
- 配給:日活
- 宣伝協力:アンプラグド
- 協力:芸術文化振興基金
- 製作:葵プロモーション/ビクターエンタテインメント/日活/IMAGICA/ザックプロモーション