僕らの方程式
監督:内田英治
出演:中村優一 中別府葵 相葉弘樹 兼子舜 桐山漣 三浦涼介 ほか
2008年10月4日(土)より渋谷シアターTSUTAYA、シネマート新宿にてロードショー、ほか全国順次公開
2008年/カラー/HD/16:9/ステレオ/107分

鉄道オタクの少年、学園のマドンナ、イケメン不良。同じ高校に通いながら、それぞれ“住み分け”しているような、違ったタイプの生徒たち。そんな彼らが、ひょんなきっかけから、夜の校舎に閉じ込められることになった。
学校や社会に反抗するわけでもなく、ただ成り行きで夜の学校に立てこもることになってしまったイマドキの高校生たち。『僕らの方程式』は、突飛な設定の中、繊細な心理描写で、彼らの抱える悩みや葛藤、そして芽生えてくる気持ちをスクリーンに映し出す。
この作品の大きな見どころが、人気の美形男優がオタク高校生役にチャレンジしているところだ。『体育館ベイビー』『同級生』『シャカリキ!』と、主演、準主演作が続く中村優一が、いままでのイメージを覆す、内気なオタク男子で新境地を見せる。さらに王子様キャラの相葉弘樹が、キッチリ七三分け、早口で挙動不審なオタクになりきった。さらに『同窓会』などで溌剌とした魅力を見せる兼子舜も、坊ちゃん刈りにメガネのカメラオタクに。彼らの「イケてなさ」っぷりは注目だ。
そのオタク3人組の憧れの的・椿には、2008年度東レ水着キャンペーンガールで、ドラマ、映画にも活動の場を広げる期待の新星・中別府葵。学園で人気の不良コンビに甘いマスクで人気の桐山漣と三浦涼介。ふたり組のミュージシャンに実際にユニット“HONEY L DAYS”として活動するKYOHEIと東山光明が扮し、KYOHEIは音楽も担当している。
そして舞台でも活躍する永山たかしが、教師役でコミカルな味わいを発揮。また“刑事ドラマの物真似”ネタで知られる柳沢慎吾が刑事役で出演。俳優としてさすがの貫禄を見せている。
岡本貴也の緻密な構成にユーモアを交えた脚本を、『ガチャポン』『地球でたったふたり』の内田英治がメガホンをとって映像化。フレッシュな俳優たちの演技が、リアルな感情を伝える。

心平(中村優一)は鉄道研究会に所属する高校生。鉄道趣味に没頭するオタク少年だが、実は学園のマドンナ・椿(中別府葵)に恋をしている。その朝、心平は一大決心をして椿にラブレターを渡した。
椿のことで気もそぞろの心平だが、明日締め切りのコンテスト出品を目指し、オタク仲間のトミオ(相葉弘樹)とユウキ(兼子舜)と3人、ずっと作ってきた鉄道模型ジオラマの仕上げにとりかかる。
ところが、完成間近のジオラマを、女子に人気のイケメン不良2人組、ワタル(桐山漣)とタカフミ(三浦涼介)が遊んでいたバスケットボールが直撃! 3人はやむなく学校に残り、壊れたジオラマを徹夜で修理をすることに。
そのワタルとタカフミは、教師・秋島(永山たかし)から追試を言い渡されて焦っていた。追試に合格しなければ卒業できない。ふたりは、夜中に職員室に忍び込み、テスト問題を盗み出すことを決意する。
こうして放課後の学校に残ることになったオタクと不良たち。ラブレターに書いた約束の時間を過ぎたのに気付いた心平が校門に行くと、そこには椿が待っていた。椿の様子がどこかおかしいのにも気付かず、心平はすっかり有頂天で体育館に椿を連れて行き、トミオとユウキに紹介する。
そのころ、学校の外では事件が起きていた。椿の家に、娘を誘拐したという脅迫状が届いたのだ。身代金の受け渡し場所に指定されたのは、高校の体育館。そして偶然と勘違いが重なり、なんと心平たちは誘拐犯に間違われてしまう! やがて学校を取り囲む警察やマスコミ。心平たちの、スリリングで長い一夜がはじまった……。