女子大生のさくら(杉野希妃)は、自宅マンションに客を招き、金で身体を売る商売をしていた。さくらの部屋の窓見える出張ホストの事務所には、いつも誰かになにかを伝えようとするようにメールを打つ金髪の美少年がいた。その姿に興味を持ったさくらは、少年にレオという自分だけの呼び名を付けて、彼の姿を見るのを楽しみにしていた。
ある日、さくらはしつこい客に迫られる。向かいのビルからその様子に気づいてさくらを助けに来たのは、あの金髪の少年・レオ(細田よしひこ)だった。その日以来、急速に距離を縮めていくふたり。さくらとレオは、まるで通りをはさんだ鏡のような関係だった。
恋人のコウタロウ(小柳友)や友人たちとの学生生活を楽しむさくらだったが、いつしか、コウタロウとの関係に微妙な違和感を感じ、自分の心にレオが大きな位置を占めていることに気づきはじめる。
そんなある日、さくらは成瀬(哀川翔)という男に呼び出される。レオの事務所の社長で、レオの親代わりでもある成瀬は、さくらにレオとの関係をやめるよう半ば脅すように告げる。虚ろな気持ちを抱えるさくらは、いきずりの男と身体を重ねるのだった。
しかしさくらは、レオの客となることでふたりの時間を手に入れ、石垣島への1日限りの旅行を楽しむ。そして、いつか与那国の“日本で一番最後に沈む夕日”をふたりで見にくることを誓うのだった。
東京に戻り、お互いに今までの“仕事”を辞めてふたりで生きはじめようとするさくらとレオ。しかし、それを知ったコウタロウがふたりの前に現われ、レオはコウタロウに怪我を負わせてしまう――。
クリアネス
監督:篠原哲雄
出演:杉野希妃(新人) 細田よしひこ 哀川翔 ほか
2008年2月16日(土)よりユーロスペースほか全国順次ロードショー
新たな媒体として、若い世代を中心に多くの支持を集めている“ケータイ小説”。これまでにいくつもの作品が映像化され、ヒットを記録してきた。そして、感動の物語がまた1本、ケータイから生まれスクリーンへと登場する。第1回日本ケータイ小説大賞を受賞した十和(とわ)の小説の待望の映画化となる『クリアネス』だ。
一見満たされた学生生活を送っているが、その一方で金と引き換えに自分の身体を売っている主人公のさくらは、金髪の美少年ホスト・レオと出会い、お互いの空白を埋めるように惹かれあう――。
主人公・さくらを演じるのは、キム・ギドク作品にも出演経験があり、国内作では本作が初出演となる新人・杉野希妃。大胆なシーンにも体当たりで挑み、新人とは思えない存在感を見せる。相手役となるレオには、テレビドラマ「ライフ」で強い印象を残した若き演技派・細田よしひこが扮し、純粋で一途な少年を好演している。さらに、レオの育ての親である成瀬に多くの出演作を誇る哀川翔、バラエティなどでも人気の高田純次などのベテラン陣から、小柳友、斎藤工らフレッシュな若手キャスト陣が顔を揃え脇を固める。
監督は、長編デビュー作『月とキャベツ』以降、『はつ恋』『天国の本屋〜恋火』『地下鉄(メトロ)に乗って』など、叙情的な演出に定評のある篠原哲雄。テレビドラマ「すいか」「時効警察」などを手掛けた山田あかねの脚本を、情感豊かに映像化した。
主題歌は、注目のシンガーソングライター・秦基博の「僕らをつなぐもの」。2007年リリースのアルバムに収録された、映画の内容に通じ合う歌詞を持ったこの曲が、監督の強いリクエストによって主題歌に起用された。
大阪、沖縄などでロケを敢行、200万人が涙した究極のプラトニックラブを鮮やかにスクリーンへと描き出した。
- さくら:杉野希妃(新人)
- レオ:細田よしひこ
- コウタロウ:小柳友
- アキラ:山田幸伸
- エリコ:高久ちぐさ
- マユミ:宮本裕子
- ミカ:伊藤久美子
- さくらの客:森下能幸
- リョウ:斎藤工(友情出演)
- 与那国島の店の客:高田純次(特別出演)
- 成瀬:哀川翔
- 監督:篠原哲雄
- 原作:十和「クリアネス 限りなく透明な恋の物語」(スターツ出版)
- 主題歌:秦基博「僕らをつなぐもの(Contrast Ver.)」(BMG JAPAN/オーガスタレコード)
- 製作:久松猛郎/中野隆治/多井久晃
- プロデューサー:浅見敬/加藤智行/妹尾祥太/オノコースケ
- ラインプロデューサー:元持昌之
- 共同プロデューサー:川上紀子
- 脚本:山田あかね
- 撮影:永森芳伸
- 装飾:萩原勲
- 録音:小林武史
- 編集:大島ともよ
- 音楽:仁科亜弓/今谷忠弘
- キャスティング:河村恵
- 助監督:市原大地
- 記録:松隈理恵
- 小道具:河端かえ子
- スタイリスト:倉持洋子
- 衣裳:南口亜喜子
- ヘアメイク:百瀬広美
- 制作:土田守洋/田中荘介
- 制作プロダクション:ピクニック
- 製作:「クリアネス」製作委員会/衛星劇場/ブロスタTV/ワコー
- 企画・制作:ドーガ堂
- 配給:ドーガ堂/ゼアリズエンタープライズ