
地域に密着した製作・公開スタイルで、商店街で生きる人々を描いた話題作『らくだ銀座』から4年。林弘樹監督が「人生で本当に大切なものとはなにか?」を正面から問いかける意欲作『人生ごっこ!?』が完成した。
本作の製作者は、東京都東大和市に住む人々。「映画で街を元気にしたい!」という趣旨に賛同した住民の寄付や協力によって、製作費が賄われた。また、近隣の武蔵野美大やNPOも機材・人材面で完全バックアップ。林監督をはじめとする制作陣・俳優陣が東大和に集結し、市民とプロが一丸となって本映画を作り上げた。
主演は、映画、TV、舞台と多方面で活躍する注目の俳優・根本博成。テレビCMや劇場予告編のナレーションでもお馴染みの彼が、あっけなく迎えてしまった死に直面し、これまでの人生を振り返る青年を熱演する。ヒロインには、その演技力に定評のある『女優霊』などの石橋けい。さらに、峰岸徹、斎藤洋介というベテラン陣が豪華に脇を固める。
音楽は、平井堅などのレコーディングに参加するほか、写真家とのコラボレーションプロジェクトなど幅広く活動する古田秘馬。エンディングテーマは韓国ドラマ「美しき日々」挿入歌「Remembering Me」で注目された花世(はなよ)が担当している。
本作は、公開に先駆け2006年開催の第13回ミンスク国際映画祭コンペ部門にて映画記者審査員特別賞を受賞しているほか、上海国際映画祭、第1回パリ・キノタヨ国際映画祭でも上映され、好評を博している。
1本の映画には、多くの人々が携わり、完成した作品にはその人々の“魂”が宿っている。『人生ごっこ!?』を観る者は、きっとその“魂”の声を耳にするに違いない。

ハッピーライフ生命につとめる飛賀渡(根元博成)はバリバリのエリート社員。どこか世の中をバカにし、斜に構えたような生き方をしていた。そんな渡は、ある日、なぜか空から落ちてきた冷蔵庫が頭にあたってあっけなく死んでしまう。
死んだはずの渡が気づくと、そこは不思議な朝礼がおこなわれている学校の校舎の前。教頭(岡村洋一)と校長(峰岸徹)の話によると、ここは死者の魂が新しい人生へと旅立つための通過点「魂学校」だという。
魂学校で元上司の谷崎部長(斎藤洋介)らさまざまな人々と出会う渡。だが、相変わらず斜に構える渡は“人生ごっこ”の旅へ送られ、生前の人生を追体験することに。恋人・まこと(石橋けい)との幸せな記憶、痛恨の別れ。あるはずのない死後の未来……。渡が気づかされる、生きることの本当の意味とは?