
稔(林遣都)と亜紀(北乃きい)は幼馴染み。成績優秀で容姿端麗、学校のアイドル的存在の亜紀は、実はケンカが得意な最強女子だ。いじめられっ子の稔は、幼いころから亜紀に助けられてばかりのヘタレ男子。高校生になってもいつも一緒のふたりはつきあっていると誤解され、稔は亜紀に憧れる不良から追い回される日々。そのせいで逃げ足だけは速くなった。
そんな稔に変化が訪れる。元・ボクシング日本チャンピオンの大木(大沢たかお)との出会いだった。いままで弱々しい言動で“オトコオンナ”とバカにされ続けてきた稔は、亜紀に対する劣等感を克服するため、亜紀より強くなり、自分のことは自分で守れる男になろうと、一大決心を固める。
稔は大木にボクシングを教えてほしいと頼む。ジムの閉鎖を考えていた大木はそれを断ろうとするが、ジム生のタケ(波岡一喜)の説得もあり、稔はジム入会を認められる。亜紀に内緒でボクシングに打ち込む稔は、ボクシングの魅力に引き込まれ、練習に明け暮れる毎日を送っていく。ところが、中学時代の同級生・恭子(藤村聖子)が同じジムに通うようになり、恭子のふとした一言から稔がボクシングをはじめたことが亜紀にばれてしまう。そして亜紀もジムに入会し、ボクシングに魅せられていく。
さらに、大木の前にかつての恋人で女優の順子(桜井幸子)が現われて、大木も大きな転機を迎えることになる。
やがて、稔と亜紀はガチンコで勝負に挑むことになる。どうしても言葉に出せない「好き」という気持ちを拳に込めて……。