魔法遣いに大切なこと
監督:中原俊
出演:山下リオ 岡田将生 永作博美 ほか
2008年12月20日(土)よりシネマート六本木、シネマート新宿にてロードショー
2008年/35mm/ビスタサイズ/DTSステレオ/100分

一人前の魔法遣いになりたいと願う少女。彼女が初恋を知ったとき、大切な約束を叶える奇跡の魔法が生まれる――。
よしづきくみちによるコミック、宮崎あおいが声優をつとめたアニメ、ノベライズ版など、複数のメディアで展開し、多くのファンの支持を集めた人気シリーズ『魔法遣いに大切なこと』が、ついに実写映画として登場する。
魔法遣いが当たり前のように存在する現代を舞台にした「魔法遣いに大切なもの」シリーズは、山田典枝が映画の脚本コンクールである城戸賞応募のために執筆したシナリオから始まった。山田典枝が新たに脚本を書き下ろした実写劇場版は、いわばシリーズの原点回帰ともいうべき作品である。
主人公の鈴木ソラを演じるのは、12代目リハウスガールとして活躍する山下リオ。映画初出演だが、そのピュアな眼差しとまっすぐな演技で、ひたむきで純粋な鈴木ソラというキャラクターを見事にスクリーンに息づかせた。
ソラの初恋の相手・豪太には『天然コケッコー』で注目を集め、ドラマで人気沸騰の岡田将生。自分の境遇に悩みつつ、ソラとの出会いで変わっていく少年を好演している。
ソラと同じ魔法遣いの卵には期待の若手の緑友利恵と太賀。そして永作博美、田中哲司、木野花、余貴美子、水橋研二ら実力派がソラたちを優しく見守る大人たちを演じ、草村礼子、鶴見辰吾らが深みのある演技で作品に厚みを与えている。
監督は名匠・中原俊。自身により再映画化された『櫻の園』をはじめ、少女のきらめきをとらえることで定評のあるその手腕を本作でも存分に発揮し、瑞々しさと眩しさにあふれた世界を作り上げた。
純粋な少女の想いが輝く、切なくも温かい青春ファンタジー。その優しい魔法は、きっとあなたの心にも届くはずだ。

北海道・美瑛で暮らしていた16歳の鈴木ソラ(山下リオ)は、母親(永作博美)に見送られて東京へと旅立った。
東京に着いたソラが“魔法局”を目指して歩いていると、壊れたビルの看板が道の親子を直撃しそうに! 間一髪、ソラの“力”によって親子は難を逃れる。そう、ソラは“魔法遣い”なのだ! ……いや、正確にはこれから正式な“魔法遣い”になろうとしているのだ。
“魔法遣い”が当たり前に存在する世界。魔法遣いの血筋を受け継いだ者は16歳になると研修を受け、国が認定した“魔法士”になれる。ソラも研修を受けるために東京にやって来たのだ。一緒に研修を受けるのは、浅葱ほのみ(緑友利恵)、黒田浩二(太賀)、そしてぶっきら棒な態度を取る緑川豪太(岡田将生)の3人だ。
研修は、教官の川田(余貴美子)と森下(水橋研二)による講義だけではない。先輩魔法士の原誠一郎(田中哲司)の事務所に住み込んでの実地研修を通じて、ソラは魔法士に仕事を依頼するさまざまな人々の人生を目にしていく。ときに魔法の力の素晴しさを知り、ときに魔法の力の限界を知ってしまうソラ。そんなソラを、原や、原のおばで豪太を指導する魔法士の白石沙織(木野花)たちは優しく見守ってくれる。
そして、魔法を学ぶ中で、最初は反発しあっていたソラと豪太は次第に心を通わせていく。ソラにとって初めての恋。ふたりはかけがえのない時間を過ごしていく。
しかしソラには、豪太にも、原や白石にも話していない秘密があった……。