宝塚大劇場の舞台で繰り広げられる歌とダンス。その最中、トップスターのリュータンこと嶺野白雪(紫吹淳/湖月わたる)に向けて、客席からひとりの少女(彩輝なお/貴城けい)が靴を投げつけた。一時劇場は騒然となるものの、リュータンの機転によりステージは続行され、人々は華やかな舞台に魅了されていた。
一方、靴を投げつけた少女は守衛に追われ、音楽学校の試験会場へと逃げ込んだ。タカラジェンヌを目指す受験生たちに紛れて踊る少女の才能を見抜いた演出家で作家の影山(石井一孝)は、彼女に受験を進める。宝塚への反感すら感じさせていた少女だったが、宝塚ファンの少年・オサム(佐藤アツヒロ)の助言もあり、受験を決意する。
そして宝塚に入団した少女は、タッチーこと橘伊吹として、同期のトモこと星風鈴子(星奈優里/大鳥れい)、ベニこと紅花ほのか(紫城るい/映美くらら)とともに、リュータンが男役トップをつとめる雪組に配属される。さまざまな経験の中で、新人のタッチーたちは成長していく。
だが、戦争という暗い影は宝塚にも迫っていた。ある日の上演中、内容が不謹慎だと公演が中止させられそうになる。それを制したのは、海軍中尉の速水(本間憲一)だった。
救われた雪組は速水に礼を述べるが、速水が一同に聞かせたのは、東京宝塚劇場は閉鎖され、この大劇場も翌日には閉鎖されるという知らせだった。タッチーは速水に劇場存続に力を貸してほしいと頼むが、それは叶わない願いだった。あくる日、速水中尉によって、宝塚大劇場の閉鎖が告げられる……。
Livespire 愛と青春の宝塚 恋よりも生命よりも
演出:鈴木裕美 映像監督:長嶋永知/青山賢治
出演:紫吹淳 彩輝なお 星奈優里 紫城るい/湖月わたる 貴城けい 大鳥れい 映美くらら ほか
2009年7月4日(土)より銀座・丸の内TOEI2ほか全国順次公開
2009年/2K DCP/HDサイズ/5.1ch/《紫吹&彩輝Ver.》169分(第一幕:82分・第二幕:87分/途中休憩あり)・《湖月&貴城Ver.》166分(第一幕:81分・第二幕:85分/途中休憩あり)
“生の舞台の感動を、より多くの人々に”というコンセプトでソニーが展開する新たなエンターテイメント“Livesphere(ライブスパイア)”。これまで数々の舞台作品をデジタルシネマとして映画館で上映してきたLivesphereの最新作としてミュージカル『愛と青春の宝塚 恋よりも生命よりも』が登場する。
長きにわたり、華やかなステージで人々を魅了してきた宝塚歌劇団。第2次世界大戦という激動の歴史の中で、タカラジェンヌたちは舞台に青春をかける――。
ミュージカル『愛と青春の宝塚 恋よりも生命よりも』は、2002年に放映され好評を博した同名テレビドラマをミュージカル化。紫吹淳、湖月わたる、彩輝なお、貴城けいら、元宝塚のトップスターたちが、実力派男優陣と豪華共演を果たした。
スタッフは、原作・脚本にドラマ版と同じくNHK連続テレビ小説「ふたりっ子」などで知られる大石静、演出に自転車キンクリートのほか外部作品の演出も多い鈴木裕美、作曲に40年以上にわたり日本歌謡界の第一線で活躍し多くのヒット曲を生み出し、先ごろ惜しまれつつ逝去した三木たかし。
2008年冬に、同年限りで長い歴史に幕を下ろした新宿コマ劇場のファイナルを飾った公演をあますところなく収録。ダブルキャストでおこなわれた公演を2ヴァージョンの映像作品としてそれぞれ上映する。
ステージでは見ることの難しい俳優の細かな表情や繊細な演技と、生の舞台の臨場感が融合し『愛と青春の宝塚』がスクリーンに蘇る。
- 嶺野白雪(リュータン):紫吹淳/湖月わたる(ダブルキャスト)
- 橘伊吹(タッチー):彩輝なお/貴城けい(ダブルキャスト)
- 星風鈴子(トモ):星奈優里/大鳥れい(ダブルキャスト)
- 紅花ほのか(ベニ):紫城るい/映美くらら(ダブルキャスト)
- 速水悠介:本間憲一
- 影山航:石井一孝
- オサム:佐藤アツヒロ
- 原作・脚本・原詞:大石静
- 演出:鈴木裕美
- 作曲:三木たかし
- 音楽監督:清水恵介
- 作詞:高橋知伽江
- 振付:前田清実
- 美術:島川とおる
- 照明:原田保
- 衣裳:有村淳
- ヘアメイク:田中エミ
- 音響:実吉英一
- 歌唱指導:矢部玲司
- 脚本協力:山岡真介
- 舞台監督:山岡均
- 宣伝写真:西村淳
- 映像監督:長嶋永知/青山賢治
- 配給:ソニー株式会社