呼びかける声に小川順(斎藤工)が目を覚ますと、そこはエレベーターの中だった。順の顔を覗き込んでいたのは、いかにも胡散臭げな関西弁の男(内野聖陽)と、緑のジャージを着た男(モト冬樹)。そしてエレベーターの中にはもうひとり、ゴスロリファッションの少女(佐津川愛美)がいた。
関西弁男とジャージ男の話によると、順がマンションの5階からエレベーターに乗り込んだ直後、エレベーターが急降下を始め、その衝撃で順は頭を打ち気を失ったのだという。その後、エレベーターの落下は止まったものの、扉も開かず、非常ボタンを押してもなんの反応もない。順は携帯電話を取り出すが電池切れ。ほかの3人は携帯を持っておらず、外部に連絡もとる方法はない。順たち4人は完全に閉じ込められてしまったのだ。
順は必死に扉を叩いて助けを求める。無理もない、順は妊娠中の妻(本上まなみ)から子供が産まれそうだという電話を受け、急いで自宅に戻る途中だったのだ。
なす術もなくただ時間だけが過ぎるエレベーターの中で、やがあて4人が抱える事情がそれぞれに浮き彫りにされていく。刑務所から出たばかりの関西弁男、ある力を持つために気味悪がられていたジャージ男、引きこもりで自殺志願のゴスロリ少女。そして、身重の妻がいながら、自宅から離れたこのマンションに来る理由があった順……。
このまま助からないかも。そう覚悟した順は、ゴスロリ少女の持っていたボイスレコーダーに妻へのメッセージを残そうとする。だが、順は気づきはじめていた。なにかが、おかしい……。
悪夢のエレベーター
監督:堀部圭亮
出演:内野聖陽 佐津川愛美 モト冬樹 斎藤工 ほか
2009年10月10日(土)よりシネセゾン渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国ロードショー
2009年/カラー/35mm/ビスタサイズ/DTSステレオ/105分
停止したエレベーターの中、外部と連絡もとれず、乗り合わせたのはワケあり気な連中。このヤバイ状況、どう切り抜ける?
「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!」など人気バラエティ番組の構成作家として活躍し、俳優としても多くの作品で独特の存在感を発揮する堀部圭亮。DVD短編作品「やさぐれぱんだ」で初メガホンをとり、監督としての経験を着実に重ねてきた彼が、ついに『悪夢のエレベーター』で長編監督デビューを果たす。
原作は木下半太の同名小説。シリーズ累計40万部を突破した「悪夢」シリーズの第1作にして、26万部のベストセラーとなった作品を『アヒルと鴨のコインロッカー』の脚本を手がけた鈴木謙一が堀部監督とともに脚本化した。
エレベーターに乗り合わせた4人を演じるのは、ドラマ「臨場」などで演技力に定評のある内野聖陽、『鈍獣』など映画出演が続く若手実力派の佐津川愛美、タレントとして人気で『ヅラ刑事』では主演をつとめたモト冬樹、ドラマ「オトコマエ!」のほか映画主演も続く斎藤工。4人がそれぞれの魅力たっぷりに、限定された舞台で迫力の演技を見せる。そして、本上まなみ、大堀こういち、芦名星と、脇を固めるキャストにも魅力的な俳優陣が揃った。
そして主題歌は、話題のアーティスト・タカチャが、堀部監督の要望に応えて「AIO〜愛をください〜」を書き下ろしている。
疑惑と不信が渦巻く中、映画は誰も予想できない怒涛の展開を見せる。堀部監督が仕掛けたのは、観客を欺き続ける、いわば“人間不信エンターテイメント”だ。ウソと本音、虚構と真実。その果てに、観客は衝撃のラストを見る。
- 内野聖陽
- 佐津川愛美
- モト冬樹
- 斎藤工
- 小西遼生
- 池田鉄洋
- 市川しんぺー
- いけだしん
- 山本彩乃
- 長澤つぐみ
- 芦田昌太郎
- 宮下誠
- いか八朗
- 堀井茶渡
- 大堀こういち
- 芦名星
- 本上まなみ
- 監督:堀部圭亮(第1回監督作品)
- 原作:木下半太「悪夢のエレベーター」(幻冬舎刊)
- 脚本:堀部圭亮/鈴木謙一
- 製作:佐藤直樹 宇田川寧
- エグゼクティブプロデューサー:馬場清
- プロデューサー:松村傑 柴原祐一
- 共同プロデューサー:石田雄治
- 撮影:北信康
- 照明:渡部嘉
- 美術:磯田典宏
- 録音:岩倉雅之
- 編集:高橋幸一
- VE:新部信行
- 装飾:山本志恵
- 特殊造形・特殊メイク・残酷効果:西村喜廣/奥山友太
- スタイリスト:与那覇智
- ヘアメイク:山崎惠子
- VFXスーパーバイザー:鹿角剛司
- スクリプター:小林加苗
- アクション:カラサワイサオ
- キャスティング:田端利江
- 助監督:塩崎遵
- 製作担当:道上巧矢
- ラインプロデューサー:若林雄介
- 主題歌:タカチャ「AIO〜愛をください〜」(レインボーエンタテインメント/宣伝協力:Epic Records Japan Inc.)
- 制作プロダクション:ダブ
- 製作:日活/スモーク
- 配給:日活