フード・ルポライターの井坂順(斎藤工)は、取材のため韓国はソウルにやってきた。東京にいる編集長(京野ことみ)にせっつかれて取材先を探す順は、偶然に“牡丹堂”という菓子店に出会った。
寡黙な若い店主のサンウ(チェ・ソンミン)がひとりで切り盛りするその店は、観光客は訪れない路地裏の小さな店だが、祖父の代から変わらぬ伝統菓子の味を伝え、地元の人たちから愛されていた。サンウは取材したいという順の申し出を迷惑だと断るが、それでもあきらめない順の熱意に、やがて取材を快諾する。
順が取材を終え日本に戻る日、事件が起こった。牡丹堂は地元のヤクザから立ち退きを迫られており、そのいざこざでサンウが怪我をしてしまったのだ。入院したサンウはしばらくお菓子作りができない。このまま牡丹堂はなくなってしまうのか?
そんな中、サンウの弟で、音楽の道に進むため家を出ていたサンヒョク(John−Hoon)は、ある事情で音楽を諦め、サンウと再会を果たす。当初は店のことなど関係ないという態度をとっていたサンヒョクだったが、順が日本に戻らず牡丹堂の力になろうとしているのを見て、自分の手で店を守ろうと決意する。サンウから厳しい指導を受け、サンヒョクは菓子作りに励む。
順とサンヒョク、そしてサンウが力をあわせ、牡丹堂は新装開店を果たした。ところが、もうひとつの“牡丹堂”を名乗る店から、名前の権利を譲るようにという訴状が届いた。華やかな今風のケーキ屋であるもうひとつの“牡丹堂”で腕をふるうのは、サンウとサンヒョクの弟・サンジン(キム・ドンウク)だった。そしてその背後には、あのヤクザたちがいた……。
カフェ・ソウル
監督:武正晴
出演:John−Hoon 斎藤工 京野ことみ キム・ドンウク ほか
2009年7月渋谷シアターTSUTAYAにてロードショー
2009年/カラー/HD/ビスタサイズ/ステレオ/一部日本字幕/94分
ヒットドラマ「宮 -Love in Palace-」で一躍人気俳優の仲間入りを果たし、歌手としての活動も好調なJohn-Hoon。NHK時代劇「オトコマエ!」や『20世紀少年 最終章』など多くの作品に出演する若手実力派俳優・斎藤工。韓国と日本、それぞれで注目を集める男たちが、映画『カフェ・ソウル』で共演を果たす。
韓国・ソウルを訪れたフード・ルポライターの順が出会った韓国伝統菓子の店“牡丹堂”。存亡の危機に立った店を守るために奮闘する中で、牡丹堂の次男・サンヒョクと順の間に国境を越えた友情が芽生えていく。そして、別々の道を歩いていたサンウ、サンヒョク、サンジン3兄弟の時間がふたたび重なりはじめる……。
家族への深い想いを抱いた順を演じる斎藤工、ミュージシャンとして活躍しながら菓子作りの道に戻るサンヒョク役のJohn-Hoonに加え、サンジン役に韓国で超大作映画『国家代表』の主演に抜擢されたキム・ドンウク、サンウ役に日本映画『ソウル』にも出演したチェ・ソンミン、日本からドラマ「白線流し」「ショムニ」の京野ことみというキャストが脇を固める。
監督は、井筒和幸監督『パッチギ!』などで助監督をつとめ、韓国・釜山を舞台とした長編監督デビュー作『ボーイ・ミーツ・プサン』が高く評価された武正晴。『カフェ代官山』シリーズや『花婿は18歳』など、若手人気男優主演の作品に定評があるだけに、今回もソウルの活気あふれる風景の中、日韓の人気男優の魅力を存分に引き出した。
伝統菓子をつうじて結ばれる、家族の絆と熱い友情。日韓のスタッフ・キャストが力を合わせて描いた言葉を越えた想いは、爽やかな感動を観る者に届けてくれる。
- John-Hoon
- 斎藤工
- チェ・ソンミン
- チョン・スギョン
- キム・ウンス
- チャン・ソウォン
- ク・ボヌン
- 京野ことみ
- キム・ドンウク
- 監督:武正晴
- 原案:谷口広樹
- プロデューサー:村田亮/谷口広樹/ホン・ミンギ
- 製作:伊藤明博/久松猛朗/佐伯寛之/久保和明/朴泰奎
- 脚本:金杉弘子
- 撮影監督:キム・ビョンジョン
- 照明:ユ・ギョンス
- 美術監督:チャン・スンチョプ
- 録音:キム・サンウン
- 衣装:浜井貴子 ハ・ジン
- ヘアメイク:チェ・ナヨン
- 編集:村上雅樹
- 助監督:井手上拓哉
- 音楽:Tatsuya
- 主題歌:the ARROWS「FREE AND SHIP」
- 制作プロダクション:アールグレイフィルム
- 配給:アールグレイフィルム/コミュニティ・アド
- 製作:「カフェ・ソウル」製作委員会(竹書房/衛星劇場/アールグレイフィルム/レオーネ/アクロス)