ごく平凡な4人家族の船村家。しかしある日突然、未成年の長男が、小学生姉妹殺人事件の容疑者として逮捕される。東豊島署の刑事・勝浦(佐藤浩市)は、突然、その容疑者家族の保護を命じられる。いったいなにから守れというのか。それすらもわからないまま船村家へ向かった勝浦は、家を取り囲む新聞記者やレポーター、カメラマンの姿を目の当たりにする。勝浦に与えられた任務は、容疑者家族をマスコミの目、そして世間の目から守ることだった。
容疑者家族保護のマニュアルに従い、船村家の家族3人はそれぞれバラバラに保護されることとなった。勝浦が担当することになったのは、勝浦の娘と同い年の15歳の娘・沙織(志田未来)。こうして、勝浦と沙織の逃避行が始まる。
ホテル、勝浦のアパート、知人のマンション……。どこへ身を隠しても追いかけてくるマスコミ。そして、ネット上の掲示板の書き込みがふたりを追いつめていく。
容赦ない“世間”の目に、沙織の心は傷つけられていく。沙織を必死に守ろうとする勝浦も、かつて自分が捜査した事件で、ひとりの幼児を死に追いやってしまったという過去を持ち、心に深い傷を負っていた。逃げ場を失くしていくふたりは、反発しながらも、心に傷を持つ者同士、次第に心を通わせていく――。
殺人犯の妹と、彼女を守る刑事。ふたりを待っている“運命”とは、そして行き着く先でふたりが見つける“希望”とは――。
誰も守ってくれない
監督:君塚良一
出演:佐藤浩市 志田未来 松田龍平 石田ゆり子 ほか
2009年1月24日(土)全国東宝系ロードショー
カラー/116分
ある日突然、殺人犯の妹になってしまった15歳の少女と、彼女を守ることを命じられた心に深い傷を抱えた刑事。そんなふたりを取り囲むのは、事件を糾弾するマスコミや世間の目、そして面白半分に事件に関与し暴走するネット社会。そのような状況で“人が人を守ること”とは、“人間の真の強さ”とはなんなのか?
『誰も守ってくれない』は、大ヒットシリーズ「踊る大捜査線」の製作チームが送る、これまでになかった社会派ヒューマンエンターテイメントだ。「踊る…」シリーズで脚本を手がけてきた君塚良一が、同作品のために取材をおこなう中で出会った“容疑者家族の保護”というテーマ。「踊る…」シリーズがスタートした1997年から10年にわたってあたためてきた企画に、自らメガホンをとって挑んだ。手持ちカメラでの撮影をメインに、オールロケでの撮影を敢行。さらに、リハーサルからカメラを回し俳優陣のリアルな表情を切り取っていくという手法で、いままさに日本社会で起こっているタイムリーな題材を臨場感たっぷりに描いていく。
出演は、主人公の刑事・勝浦に日本を代表する実力派の佐藤浩市。ヒロインの少女・沙織にはドラマ「14才の母」や映画『母べい』などで優れた演技力を見せた志田未来。さらに、松田龍平、石田ゆり子、佐々木蔵之介、佐野史郎、ら豪華キャストが脇を固める。
第32回モントリオール世界映画祭で最優秀脚本賞を受賞し、世界が認めた作品が、いよいよそのベールを脱ぐ。
- 勝浦卓美:佐藤浩市
- 船村沙織:志田未来
- 三島省吾:松田龍平
- 本庄久美子:石田ゆり子
- 梅本孝治:佐々木蔵之介
- 坂本一郎:佐野史郎
- 稲垣浩一:津田寛治
- 佐山惇:東貴博
- 園部達郎:冨浦智嗣
- 尾上令子:木村佳乃
- 本庄圭介:柳葉敏郎
- 監督:君塚良一
- 製作:フジテレビジョン/日本映画衛星放送/東宝