
15歳の穂波佑介(山田健太)は、父の軍司(石黒賢)、母の美永子(石村とも子)とともに、東京から山梨の山間の街へと引っ越してきた。母が病弱なため、空気の綺麗なところへ引っ越すことを父が決意したのだ。
この地でペンションを開く父は、閉園したブドウ園から安くワインを譲ってもらうため、成島家を訪ねる。父の手伝いでついていった佑介は、ワインを運ぶ途中、ガラスの割れる音を耳にする。見上げた佑介の目に入ってきたのは、割れた窓ガラスと、その向こうに立つひとりの少女の姿。これが、佑介と梨生(りお・多岐川華子)の出会いだった。
その数日後、佑介は街で男連れで歩いている梨生に声をかけられる。誘われるままにその夜、成島家を訪れた佑介だったが、気まぐれな梨生の態度に戸惑い、部屋を飛び出してしまう。
その後も梨生はなにかと佑介にかかわりを持とうとしてくる。ある日、ペンションを訪れた梨生に「私のこと嫌い?」と訊かれた佑介は「はい」と答える。そんな佑介に梨生はさらに興味を持っていく。
継母の文(麻生祐未)と暮らす梨生は、亡くなった両親への想いや、父の残した借金返済のため想い出の残るブドウ園や家まで手放すことを決めた文への憤りから、文にことごとく反発し、心の隙間を埋めるように奔放な生活を送っていた。
ある日、佑介は父・軍司の車に乗り込む梨生の姿を見てしまう。梨生の家を訪れて問いただす佑介に、梨生は答える。「私から誘いました…言ってる意味、わかるよね」……。