現代。倉本いずみ(北川景子)は、1通の手紙を手にしていた。アメリカから届いたその手紙には、古びた手描きの楽譜が添えられていた。アメリカ海軍で駆逐艦艦長をつとめていた人物の遺品の中に、いずみの祖母・有沢志津子(北川景子/二役)の名前の書かれた、その楽譜はあった。なぜ、祖母の書いた楽譜が、戦争相手であるアメリカ海軍駆逐艦の艦長に渡ったのか。それを知るため、いずみは、かつて日本海軍で潜水艦艦長をつとめた祖父・孝行を知るただひとりの存命者・鈴木を訪ねる――。
第二次世界大戦末期の沖縄南東海域。日本海軍は、米海軍の燃料補給路を絶つために、イ−77をはじめとする潜水艦隊を配備していた。日に日に戦況が悪化する中、この作戦は最後の防衛ラインといえた。
イ−77の艦長・倉本孝行(玉木宏)は、同じく作戦に参加するイ−81の艦長・有沢義彦(堂珍嘉邦)とは、兵学校時代からの親友であり、有沢の妹・志津子とも、互いに思いあう間柄だった。
倉本が作戦に出発する前、志津子は自分が作曲した「真夏のオリオン」と題された曲の手書きの楽譜を手渡していた。そこには「オリオンよ、愛する人を導け」という倉本へのメッセージが記されていた。
やがて作戦が始まり、潜水艦隊は米海軍駆逐艦・パーシバルを迎え撃っていた。イ−81が突破され、激戦の果てに劣勢に立たされたイ−77は、知力と体力の限りをつくした最後の闘いに臨もうとしていた……。
真夏のオリオン
監督:篠原哲雄
出演:玉木宏 北川景子 堂珍嘉邦 平岡祐太 ほか
2009年6月13日(土)全国東宝系ロードショー
2009年/シネスコ/ドルビーデジタル/119分
64年前に書かれた楽譜が、あの夏のすべてを語りはじめる。イ−77潜水艦と、米国海軍駆逐艦パーシバルの壮絶な闘い――。 実際に第二次世界大戦中に繰り広げられた潜水艦と駆逐艦の戦闘をモチーフにした池上司の軍事フィクション「雷撃深度一九・五」をベースに、映画も大ヒットした「亡国のイージス」「終戦のローレライ」などの人気作家・福井晴敏が監修・脚色をつとめた壮大なアクション・ロマン『真夏のオリオン』が完成した。
海上の駆逐艦と海中の潜水艦という、乗員が互いに顔を合わすことのない状況の中、ファイトマン・シップで戦い抜こうとする男たちの姿が、熱く、スリリングに描かれる。
出演は、イ−77艦長に『のだめカンタービレ THE MOVIE』も控える玉木宏、現代と過去を繋ぐヒロイン役に『ハンサム★スーツ』などの北川景子、イ−81艦長に本作が映画初出演となる人気デュオ・ケミストリーの堂珍嘉邦など、話題のキャストが顔を揃えている。
迫力を追求するため、“イ−77潜水艦”の巨大セットをスタジオ内に建造、さらに海外ロケにでは実際にメキシコ海軍が使用していた駆逐艦を使用した日本映画初の撮影を敢行した。
監督は『山桜』『深呼吸の必要』など、人間ドラマの演出に定評のある篠原哲雄が、アクション巨編に初挑戦。過酷な状況下での男たちのドラマを丹念に描いている。
激しい闘いの中で、人が人を愛することの強さと美しさと重さを語り継ぐ、壮大なエンターテイメントがここに誕生した。
- 倉本孝行:玉木宏
- 倉本いずみ/有沢志津子:北川景子
- 有沢義彦:堂珍嘉邦
- 坪田誠:平岡祐太
- 桑田伸作:吉田栄作
- 中津弘:吹越満
- 田村俊雄:益岡徹
- 監督:篠原哲雄
- 原作: 池上司「雷撃深度一九・五」(文春文庫刊)
- 映画化原作:「真夏のオリオン」福井晴敏・監修/飯田健三郎・著(小学館文庫刊)
- 脚本:長谷川康夫/飯田健三郎
- NYユニット監督:岡田俊二
- 製作統括:早河洋/島谷能成
- 製作:上松道夫/吉川和良/平井文宏/亀井修/木下直哉/宮路敬久/水野文英/吉田鏡/後藤尚雄
- 企画:亀山慶二/小滝祥平
- エグゼクティブプロデューサー:梅澤道彦/市川南/佐倉寛二郎
- プロデューサー:小久保 聡/山田兼司/芳川透
- 撮影:山本英夫
- 照明:小野晃
- 美術:金田克美
- 装飾:尾関龍生
- 編集:阿部亙英
- 視覚効果:松本肇
- 録音監督:橋本文雄
- 音楽:岩代太郎(サントラ盤・バップ)
- 主題歌:いつか「願い星〜I wish upon a star〜」 (エイベックス・イオ)
- 製作:テレビ朝日/東宝/博報堂DYメディアパートナーズ/バップ/小学館/木下工務店/デスティニー/日本出版販売/朝日放送/メ〜テレ/朝日新聞社
- 製作協力:北海道テレビ/青森朝日放送/東日本放送/福島放送/新潟テレビ21/北陸朝日放送/山口朝日放送/瀬戸内海放送/愛媛朝日テレビ/九州朝日放送/長崎文化放送/熊本朝日放送/大分朝日放送/鹿児島放送/琉球朝日放送
- 製作プロダクション:デスティニー+クロスメディア
- 配給:東宝