協調性なしの中年パンクバンド“少年メリケンサック”をプロデュースすることになったお気楽ＯＬのかんな。まったく相容れない集団がミニバンに乗り込み、暴走の全国ツアーに旅立つ！
脚本家として『GO』「木更津キャッツアイ」シリーズなど、オリジナリティあふれる作品群で人気の宮藤官九郎。『真夜中の弥次さん喜多さん』に続く待望の監督第２作は、パンクバンドを題材としたオリジナル脚本作『少年メリケンサック』だ！ 自らバンド活動もおこなう宮藤監督のこだわりぬいたテーマが、予測不能のノンストップ・エンターテイメントとして完成した。
主演は日本映画界を代表する若手女優であり、ＮＨＫ大河ドラマ「篤姫」主演で国民的知名度を得た宮崎あおい。宮藤官九郎と初タッグにして見事なコメディエンヌぶりを発揮している。
そして“少年メリケンサック”のメンバー・ベースのアキオ役では、佐藤浩市が酒びたりの中年パンクロッカーを演じ、これまでのイメージを打ち砕く。アキオの弟でギターのハルオにはお笑いにとどまらず活躍の場を広げる木村祐一。異色のふたりの組み合わせによる兄弟喧嘩シーンは必見だ！ さらにボーカル・ジミー役の田口トモロヲ、三宅弘城、勝地涼、ユースケ・サンタマリアと、個性あふれるキャストが顔を揃えた。
メインテーマを担当するのは銀杏BOYZ。俳優として『アイデン＆ティティ』で主演をつとめたこともあるボーカルの峯田和伸は、本作でも若き日のジミーを好演している。音楽は宮藤監督と親交が深く『真夜中の弥次さん喜多さん』でも自ら率いるZAZEN BOYSとして音楽を担当した向井秀徳。異なる音楽性ながら絶大な人気を誇る２組のミュージシャンの共演も注目だ。
栗田かんな（宮崎あおい）は、メイプルレコード新人発掘部のＯＬ。ある日、かんなはネットの動画サイトでバンド“少年メリケンサック”のライブ映像を見つける。凶悪な絶叫パフォーマンスをおこなうイケメンのメンバー！ 映像を見せられた上司の時田（ユースケ・サンタマリア）はかんなに契約を命じる。
しかし、かんなが契約のために会いに行くと、そこにいたのはなぜか酔いつぶれた50歳過ぎのオッサン・アキオ（佐藤浩市）。
「これ、誰!?」
戸惑いを隠せないかんなの前で、映像を見て懐かしそうなアキオ。かんなが見つけた映像は、実は25年前のものだったのだ！ かんなの驚愕をよそに、メイプルレコードのサイトにアップされた例のライブ映像が反響を呼び、“少年メリケンサック”の人気はネット上で大爆発。サイトはパンク寸前で、全国のライブハウスツアーが次々と決まっていく。
しかし、とっくに解散し、すっかり歳をとった“少年メリケンサック”がこのまま出ても暴動になるのは必至。でも契約切れ寸前のかんなが会社に残るには全国ツアーを成功させるしかない。
こうしてかんなはアキオと弟のハルオ（木村祐一）、ジミー（田口トモロヲ）、ヤング（三宅弘城）らメンバーと一緒にミニバンに乗り込み全国ツアーに旅立つ！ はたしてかんなと“少年メリケンサック”を待ち受ける命運は？
