下井草祐太(阿部サダヲ)は、8歳のときに父親(伊原剛志)に捨てられ、善人通り商店街にある“デリカの山ちゃん”の店主夫妻に育てられた。実の子のように愛情を注いでくれた夫妻への恩返しとばかりに、祐太はひたすらに働いた。“山ちゃん”ばかりか商店街のほかの店まで手伝い、さらに地元のみなさんの買い物のお手伝いや雑用までこなし、いまや「働くバカ」と言われる究極のお人好し。ハムカツを名物に“山ちゃん”を行列のできる人気店にまで成長させた祐太は、いまや商店街の顔というべき存在だった。
一方、祐太の生き別れの弟・祐介(瑛太)は、母を亡くして親戚の間をたらい回しにされる少年時代を過ごした。そんな祐介が世渡りのために身につけたのは、お笑いの技術。金城大介(塚本高史)と兄弟ということにして漫才コンビ“金城ブラザーズ”としてデビューしたところ、まさかの大ブレイク。ふたりが実の兄弟でないことじゃひた隠しにして売れっ子街道を突っ走る金城ブラザーズだった。
そんなある日、10数年前に飛び出したきりだった“デリカ山ちゃん”初代店主の娘・徹子(竹内結子)が善人通り商店街に突然舞い戻ってきた。子供のころはデブで不細工だった徹子がいまは見違えるような超美人に。どう考えてもワケありな徹子だが、祐太は笑顔で迎え入れる。そして店を手伝う徹子と祐太はめでたくゴールイン! しかし、婚姻届を出すために戸籍謄本を取り寄せた祐太は、人気絶頂の“金城ブラザーズ”の祐介が顔も名前も知らなかった自分の生き別れの弟であることを知ってしまう……。
なくもんか
監督:水田伸生
出演:阿部サダヲ、瑛太、竹内結子 ほか
2009年11月14日(土)より全国東宝系ロードショー
2009年/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/134分
2007年に公開され大ヒットを記録した『舞妓 Haaaan!!!』から2年。脚本・宮藤官九郎、主演・阿部サダヲ、監督・水田伸生というトリオがふたたび集結! ふたたび新たなエンターテイメントを送り出す。
幼いころに父親に捨てられ生き別れた兄弟がいた。不幸な生い立ちにもめげず「なくもんか」と笑顔で日々を過ごすふたり。そんなふたりは、まだお互いの顔も知らない……。
『なくもんか』は宮藤官九郎曰く「初めてホームドラマというジャンルに挑戦した映画」。“家族”というテーマに宮藤が初めて真正面から描いた作品だ。しかし、そこは当代きっての異才の脚本家だけに、登場するのはちょっと変わった人々だ。ハチャメチャだけど心に染みるストーリーを水田監督が「笑える悲劇」とも「泣ける喜劇」とも呼べる作品へと仕上げた。
阿部サダヲが演じるのは、ハムカツ屋の祐太。不幸な過去を抱えつつもいつも笑顔でお人好しという複雑な役柄は、まさに阿部サダヲにしか演じることのできないハマリ役だ。そして、祐太の生き別れの弟で空気の読めない芸人・祐介には『ディア・ドクター』などの瑛太。ワケありな祐太の妻・徹子には『ジェネラル・ルージュの凱旋』の竹内結子。話題作への出演が続くふたりが初挑戦の宮藤脚本で新境地を見せる。さらに豪華な共演陣にも注目だ。
主題歌は人気バンド“いきものがかり”が映画のために「なくもんか」を書き下ろした。
生き別れの兄弟の偶然の再会から生まれる予測不能の出来事の数々。笑いと涙が絶妙にブレンドされたこれまでにない“家族”の物語の登場だ。
- 阿部サダヲ
- 瑛太
- 竹内結子
- 塚本高史
- 皆川猿時
- 片桐はいり
- 鈴木砂羽
- カンニング竹山
- 高橋ジョージ
- 陣内孝則(特別出演)
- 藤村俊二(友情出演)
- 小倉一郎
- 光石研
- 伊原剛志(友情出演)
- いしだあゆみ
- 監督:水田伸生
- 脚本:宮藤官九郎
- 製作指揮:宮崎洋
- エグゼクティブ・プロデューサー:奥田誠治
- Coエグゼクティブ・プロデューサー:菅沼直樹
- プロデューサー:飯沼伸之/清水啓太郎
- 撮影:中山光一
- 照明:市川徳充
- 美術:清水剛
- 録音:鶴巻仁
- 編集:平澤政吾
- 装飾:うてなまさたか
- 音響効果:柴崎憲治
- VFXスーパーバイザー:小田一生
- キャスティング:明石直弓/赤羽根敏男
- 監督補:相沢淳
- 助監督:蔵方政俊
- 記録:増田実子
- スタイリスト:宮本茉莉
- メイク:中村洋子
- 制作担当:近藤博
- ラインプロデューサー:加藤賢治
- 音楽:岩代太郎(オリジナルサウンドトラック:バップ)
- 主題歌:いきものがかり「なくもんか」(EPICレコードジャパン)
- 企画製作:日本テレビ
- 製作:「なくもんか」製作委員会
- 制作プロダクション:ビーワイルド
- 配給:東宝