昭和43年、高度成長時代の東京。27歳の榎本武(いしだ壱成)は、ほかにとり得がないというほどの女好き。それが災いして仕事に就いても女性絡みのトラブルを起こしてすぐやめさせられてしまう。女性の扱いのうまさを活かしてセールスマンとして営業成績トップとなったものの、客の女性との関係がばれてまたしてもクビになってしまった。
会社の寮も追い出されて友人のアパートに転がり込んだ武は、さっそく近所の中華料理屋で働く光子(吉井怜)に一目惚れ。そんな武に、親戚の文三(風間トオル)が歌舞伎町のホストクラブで働かないかと話を持ってきた。ふたつ返事で話に乗った武だが、ホストの世界は予想以上に厳しかった。基本給はない上、店に場代を払わなければならない。客がつかなければ金を稼ぐどころではないのだ。それでも武は意を決してホストの世界に飛び込んだ。
店で働きはじめたある日、武は新宿の路上で詩集を売る光子と再会する。ホストに欠かせないダンスを覚えるため光子に紹介してもらった先生(津田寛治)のもとに通いながら、店では新米ホストの仕事に励む武。
店では人気のホストを中心にいくつかの派閥ができていた。武もいつの間にかナンバーワンの知哉(佐野大樹)の派閥の一員として扱われていたが、知哉の嫌がらせに腹を立て、派閥を抜けて自分の力でお客を掴むことを決意する。場代が払えず1度はクビにさえなりかけたが、武はマメな努力で次第にお客を掴んでいく。やがてほかのホストや従業員も武に一目を置きはじめた。
だが、知哉はそれが面白くない。そしてついに、ある事件をきっかけとして武は知哉に売り上げ対決を挑むことになる……。
NIGHT☆KING ナイトキング
監督:藤原健一
出演:いしだ壱成 吉井怜 佐野大樹 津田寛治 ほか
2009年1月10日(土)より渋谷シアターTSUTAYAにてレイトショー公開
2008年/カラー/ヴィスタサイズ/ステレオ/92分
高度成長時代の東京。女好きしか取り柄のないひとりの男が“ホスト”として新宿歌舞伎町で伝説を築いていく――。
『NIGHT☆KING ナイトキング』は、日本にホストという職業を広めた伝説的ホストの半生を、実話に基づいて描いた物語だ。原作は、雑誌「アサヒ芸能」(徳間書店)の連載マンガ「実録!!ホスト王一代記 破天荒」。愛田観光グループを率い、現在も“ホスト界の首領”として知られる愛田武社長をモデルにした人気作である。
この歌舞伎町伝説の男の波乱万丈の物語の映画化に挑んだのは、藤原健一監督。2004年に公開された劇場監督デビュー作『イズ・エー[is A]』で、モントリオール映画祭はじめ、海外の映画祭で高い評価を受けた。本作では、シリアスなテーマを重厚に描いた前作から一転、ユーモアあふれる軽妙なタッチで、高度成長期のエネルギーに満ちた時代の香りをスクリーンに描き出した。
ホストの世界に飛び込み、新風を巻き起こす主人公・武を演じるのは『奇妙なサーカス』『泪壷』などの作品でその個性を発揮しているいしだ壱成。本作では、周囲の人を惹きつけていく主人公を魅力的に演じている。
そして武の心のマドンナ的存在となるヒロインの光子には『LOVE MY LIFE』の吉井怜。武がホスト界に入るきっかけとなる叔父には風間トオルが扮し、『イズ・エー[is A]』で主演をつとめた津田寛治が重要な役で出演している。また、人気お笑い芸人の千原せいじ(千原兄弟)、はなわ、山下しげのり(ジャリズム)など、異色の豪華キャスティングも注目だ。
闇雲なまでのパワーでのし上がっていく主人公の姿は、現代に生きる人々に勇気を与えるに違いない。
- いしだ壱成
- 吉井怜
- 佐野大樹
- 千原せいじ(千原兄弟)
- あんじ
- ナカヤマダイゴロー
- はなわ
- なんしぃ(大好物)
- 山下しげのり(ジャリズム)
- 愛染恭子
- 風間トオル(特別出演)
- 津田寛治
- 監督:藤原健一
- 原作:「実録!!ホスト王一代記 破天荒」倉科遼:作/河島慶・画(徳間書店刊)
- 脚本:中井邦彦/桑原周平
- 製作:山田浩貴
- プロデューサー:西健二郎/寺西正己/浅木大
- 撮影:長谷川卓也
- 録音:高島良太
- 美術:毛原大樹
- 編集:石井塁/遠藤晶
- 音楽:竹松秀人
- 製作:GPミュージアムソフト
- 制作:フィルムワークス ムービーキング
- Special Thanks:愛田観光・愛田武
- 配給・ 宣伝:GPミュージアムソフト