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刺青 背負う女

監督:堀江慶
出演:井上美琴 波岡一喜 並樹史朗 兼崎健太郎 伊藤裕子 ほか

2009年6月6日(土)よりユーロスペースにてロードショー

2009年/カラー/ビスタサイズ/ステレオ/76分

イントロダクション

作品スチール

 官能的な作品を数多く残した文豪・谷崎潤一郎。デカダンで耽美的な文体、フェティシズムや同性愛といった題材は、時代を越えた魅力を放ち続け、『卍』『春琴抄』『痴人の愛』など、何度も映像化されている作品も多い。
 谷崎の処女作である傑作短編「刺青」もそのひとつだ。過去に増村保造監督・若尾文子主演で映画化されているほか、近年では、佐藤寿保監督・吉井怜主演による『刺青 SI-SEI』、瀬々敬久監督・川島令美主演の『刺青 〜堕ちた女郎蜘蛛〜』として、現代の物語となって蘇っている。
 そして2009年、ふたたび現代の“文芸官能ロマン”として「刺青」シリーズ第3弾となる『刺青 背負う女』が登場する。雑誌編集者の女性を主人公に、家族や不倫相手との関係に悩む彼女が、彫師の女性や刺青を背負った男との出会いを経て、大胆に生まれ変わっていく姿を描く。
 主人公の真由美を演じるのは、ユニチカマスコットガール出身で、映画『ビートキッズ』やドラマで女優として活躍する井上美琴。本作では身長168センチのスレンダーな肉体を大胆に披露している。
 共演には、女性彫師・純子に「ケータイ捜査官7」などの伊藤裕子、刺青を背負ったタケシに『パッチギ!』などの若手個性派・波岡一喜。そのほか、ミュージカル「テニスの王子様」で人気の兼崎健太郎、ベテラン・並樹史朗が脇を固める。
 監督は『全身と小指』『ベロニカは死ぬことにした』などの堀江慶。原作を大胆にアレンジしつつ、原作の持つエロティシズムをしっかりと映像の中に刻みつけている。

ストーリー

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 出版社に勤める佐倉真由美(井上美琴)は、母の再婚により立花康平(兼崎健太郎)と義理の姉弟の関係となっている。劇団員である康平の公演を観にいったりと付き合いはあるが“家族”とどう接していいのか、わかりかねている。
 ある日、取材のために美術館の日本画展を訪れた真由美は、“魚濫観巫音(ぎょらんかんぜのん)”という鯉に乗る観音の姿を描いた絵に見入る女性に目を引かれる。その女性は、矢野純子(伊藤裕子)という刺青の彫師だった。絵と純子に興味を持った真由美は、取材で純子のもとを訪れ、これまで知らなかった刺青の世界に触れていく。
 そして真由美は、刺青を巡る奇妙な縁に出会うことになる。夜の街で不倫相手と口論になり暴力を振るわれたところを、タケシ(波岡一喜)というチンピラに助けられたのだ。相手を追い払ったあと、冗談めかして誘うタケシを、真由美は「借りは作りたくないの」と、逆に半ば強引に自分の部屋へ連れていくとベッドへ招く。真由美と愛し合うタケシの背中には、伐折羅の刺青が彫られていた。
 その出会いののち、タケシの刺青を彫った純子を介して、ふたりは再会する。軽い口調の中に優しさをのぞかせるタケシに、真由美は心を許していく。
 真由美とタケシが付き合いはじめてしばらく経ったころ、タケシが兄貴と慕うヤクザの冨田(並樹史朗)が刺されるという事件が起こった。その夜、真由美のもとを訪れたタケシは、窓越しに会話を交わしただけで立ち去っていく――。

キャスト

  • 佐倉真由美:井上美琴

  • 平田タケシ:波岡一喜
  • 冨田:並樹史朗
  • 立花康平:兼崎健太郎
  • 矢野純子:伊藤裕子

スタッフ

  • 監督:堀江慶

  • 原作:谷崎潤一郎(中央公論新社刊)
  • 脚本:山村一間/堀江慶

  • 製作:松下順一
  • エグゼクティブ・プロデューサー:藤岡修
  • 企画:北川光秀
  • プロデューサー:奥野邦洋/小貫英明

  • 撮影:松石洪介
  • 照明:佐伯琢磨
  • 録音:川口利之
  • 美術:松本知恵
  • 編集:滝沢雄作
  • 劇中刺青:田中光司
  • 助監督:吉田和弘
  • 制作担当:櫻井健作

  • 音楽監督:遠藤浩二
  • 主題歌:玉城ちはる「シンカイノハモン」

  • 製作・配給:アートポート
  • 制作:本田エンターテインメント
  • 制作協力:円谷エンターテインメント

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