ウルルの森の物語
監督:長沼誠
出演:船越英一郎 深田恭子 濱口優 桑代貴明 北村沙羅 ほか
2009年12月19日(土)より全国東宝系ロードショー
2009年/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/119分

北海道にやってきた幼い兄妹。ふたりが森の中で出会ったのは、絶滅したはずのオオカミの子・ウルルであった――。
新潟県中越地震の際に実際にあった出来事をもとに、3匹の子犬を守ろうとする柴犬・マリと人々とが紡ぎ出す感動のドラマを描いた『マリと子犬の物語』から2年。同作品で主演をつとめた船越栄一郎や、音楽の久石譲、ドッグトレーナーの宮忠臣らキャスト・スタッフが再び集まり、新たな心温まるエンターテイメント作品『ウルルの森の物語』を誕生させた。
テレビドラマを中心にバラエティ番組の司会など活躍の場を広げる船越が『マリと子犬〜』に続いて父親役を好演するほか、船越が演じる生野大慈の妹・千恵役で話題作への出演が続く深田恭子が共演。『マリと子犬〜』に感動し、動物と一緒に映画に出ることを望んでいた深田にとり念願叶っての出演となった。そして大慈の子供である兄妹にはオーディションで選ばれた桑代貴明と北村沙羅。さらに、よゐこの濱口優や、光石研、桜井幸子、大滝秀治ら豪華キャストが脇を固める。
日本のドッグトレーナーの先駆的存在としての功績で第32回日本アカデミー賞特別賞を受賞した宮は、映画のもうひとりの主役ともいえるオオカミの子・ウルルにウルフドッグという犬種の子犬を起用することを提案。見事にウルルを画面の中に息づかせた。
久石譲の雄大な音楽に加えて、久石の実娘であり『風の谷のナウシカ』劇中の歌声で多くの人々の深い印象を残したシンガー・麻衣が主題歌の歌と作詞を担当し、美しい映像に一層の感動を与えている。
監督は日本テレビディレクターの長沼誠。初劇場作品となる本作では家族の絆というテーマを優しく描き出した。

東京で暮らしていた工藤昴(桑代貴明)としずく(北村沙羅)の兄妹は北海道へとやってきた。母親の夏子(桜井幸子)が病気で入院したため、5年前に夏子と離婚した父親で北海道で野生動物救命所の獣医として働く生野大慈(船越栄一郎)のところで夏休みの間を過ごすことになったのだ。
大慈の妹で動物カメラマンの千恵(深田恭子)がふたりを出迎えてくれる。しかし、昴もしずくも大慈とはほとんど生活をともにした記憶がなく、大慈との暮らしに戸惑いを隠せない。
そんなふたりも、大自然の中で野生の動物たちと触れあうことで次第に寂しさを忘れ、新たな環境に馴染みはじめていた。
ある日、しずくは森の中でケガをした子犬を見つけた。きちんと世話をすることを条件に、しずくと昴はケガが治るまでその子犬を飼うことになった。オオカミに似ていることから名前は“ウルル”。しずくは、ひとりぼっちのウルルに母親とは慣れて暮らす自分の境遇を重ねていたのだ。兄妹とウルルは、楽しい日々を過ごしていく。
ある日、生物学者の長谷部(光石研)が大慈の家を訪ねてきた。大慈の大学の後輩である長谷部は千恵からウルルの話を聞き、ウルルが絶滅したはずの本物のオオカミではないかと考えてやってきたのだ。検査の結果、ウルルはオオカミである可能性が高まり、長谷部は研究機関に預けて保護すべきだと主張する。
ウルルと離れたくない昴としずくは、ウルルを自分たちの手で母親のもとに届けようと、牧場で働く拓馬(濱口優)から聞いたオオカミの国“ホロケシ”を目指して旅に出た……。