東京から遠く離れた街。1キロの金塊が民家に投げ込まれる事件がテレビのニュースを騒がしているこの街に、山吹摩耶(小雪)はやってきた。
路面電車の運転手・道上(井坂俊哉)は、電車の車内で高校時代の同級生だった摩耶と再会する。高校時代に仲のよかった友人たちに会いたがる摩耶だが、それぞれに事情を抱える友人たちは、すぐに都合をあわせることはできない。
摩耶と道上はふたりだけでささやかに再会を祝うことになり、話は「世界中の路面電車をめぐる旅をしたい」という道上のかつての夢へと及んだ。いまとなってはそんな夢を実現する金なんてないと話す道上に、摩耶は「そのお金、私が出してあげようか」と告げる。その言葉のとおり、後日、道上の家に、小包で多額の現金と世界の路面電車の資料が送られてきた――。
それから摩耶は、かつての友人たちひとりひとりに再会すると、友人たちのために大金を惜しげもなく出していく。故障に苦しむマラソンランナーの川上(山中崇)には治療費を。主婦の平場さくら(小池栄子)には夫が趣味の箱庭協会で会長に就任するための費用を。さらに摩耶は漁業試験場の研究員となった保利(小沢征悦)の研究にも金を出すが、そのために溝口(仲村トオル)という男と関わっていくことになる。
そして、会社社長の夫を亡くした魚住サキ(黒谷友香)にも金塊を渡す摩耶。摩耶のお金の出所や摩耶の意図もわからないまま、摩耶から大金を受け取ったことで、それぞれの生活は変化していく――。
わたし出すわ
監督:森田芳光
出演:小雪 黒谷友香 井坂俊也 山中崇 小澤征悦 小池栄子 仲村トオル ほか
2009年10月31日(土)より恵比寿ガーデンシネマ、新宿バルト9ほか 全国ロードショー
2009年/カラー/ビスタサイズ/ドルビーデジタル/110分
東京から故郷へ戻ってきたひとりの女性。高校時代の友人と再会した彼女は「わたし出すわ」と、友人のために次々と大金を差し出していく。戸惑いながらもお金を受け取る友人たち――。
1981年のデビュー以来、常に話題となる作品を発表し日本映画界を牽引してきた森田芳光。その25作品目の監督作品となるのが『わたし出すわ』だ。近年は小説の映画化や名画のリメイクなど、原作・原典をもった作品の映画化に取り組んでいた森田監督が、『(ハル)』以来、13年ぶりとなる完全オリジナル作となる本作のテーマに選んだのは“お金”。経済不況の中で“お金”の使い方が問われることの多い中、まさに現代にマッチした作品が完成した。
主演をつとめるのは、初の映画単独主演となる小雪。意図の見えないミステリアスさを持ちつつも、温かさと優しさを感じさせる主人公・山吹摩耶を独特の存在感で演じている。そして摩耶の友人たちには『TANNKA 短歌』の黒谷友香、『砂時計』の井坂俊哉、『松ヶ根乱射事件』の山中崇、『クライマーズ・ハイ』の小澤征悦、『接吻』の小池栄子と豪華なキャストが揃った。さらに仲村トオル、小山田サユリ、藤田弓子、ピエール瀧など個性豊かな出演者が脇を固める。
スタッフには、撮影に沖村志宏、照明に渡辺三雄をはじめ森田作品に数多く参加する熟練のスタッフが結集。音楽は映画・ドラマ・アニメと幅広く手がける大島ミチル。そして話題のシンガーソングライター・辻詩音が主題歌を担当する。
『わたし出すわ』は、ユーモアを交えつつ静かなタッチで“お金”が人々に与えるものを浮かび上がらせていき、観客に“幸せ”の意味を問いかけていく。
- 山吹摩耶:小雪
- 魚住サキ:黒谷友香
- 道上保:井坂俊也
- 川上孝:山中崇
- 保利満:小澤征悦
- 平場さくら;小池栄子
- 道上かえで:小山田サユリ
- 平場まさる:ピエール瀧
- 場をわきまえない記者:北川景子
- クラブの住職:永島敏行
- 天草大二郎:袴田吉彦
- 神林多恵:加藤治子
- 川上たみ:藤田弓子
- 溝口雅也:仲村トオル
- 監督・脚本;森田芳光
- 製作総指揮:豊島雅郎
- プロデューサー:竹内伸治/三沢和子
- エグゼクティブスーパーバイザー:黒澤満
- ラインプロデューサー:橋本靖
- 撮影:沖村志宏
- 照明:渡辺三雄
- 美術:山崎秀満
- 装飾:湯澤幸夫
- 録音:高野泰雄
- 音響効果:伊藤進一
- 編集:川島章正
- スクリプター:森永恭子
- 衣裳:宮本まさ江
- キャスティング:杉野剛
- 助監督:増田伸弥
- 製作担当:樫崎秀明
- 製作管理:山本勉
- プロデューサーアシスタント:今井淑恵
- 音楽:大島ミチル
- 主題歌:辻詩音「ほしいもの」(デフスターレコーズ)
- 支援:文化庁
- 製作:アスミック・エース エンタテインメント
- 製作プロダクション:セントラル・アーツ
- 配給:アスミック・エース