九十九里の海にほど近い乗馬クラブ。春風優(伊藤ゆみ)は、そこで働いていた。
ある日、乗馬クラブの近くに住む木崎ケン(澁谷武尊)と両親がクラブを訪ねてきた。木崎一家は7歳のケンが喘息のため、東京から空気のいいこの地に越してきたのだ。乗馬を楽しんだケンは、厩舎にいる馬・エリザベスに興味を示して近づいた。それに気づいた優はケンを突き飛ばし「あたしの馬に近づかないで」ときつい言葉をかけるのだった。
翌日、役所にあいさつに訪れたケンの父・健史(緒形幹太)は、窓口で頭を下げる優の姿を目にする。優の父・元治(菅田俊)は九十九里にある小山競馬場で厩務員をしていたが、競馬場が閉鎖され、働きに出た先で事故で亡くなった。優は、エリザベスをもう1度小山で走らせたいという父の遺した夢を実現しようと、役所に何度も嘆願に来ているというのだ。
事情を知った健史は優に声をかけるが、優はぶっきら棒な態度をとる。そして乗馬クラブにやってきたケンにも冷たいままだ。誰の力も借りようとせず無愛想な優は、クラブの経営者で唯一の身寄りである宗司(松田賢二)と、その妻・美恵子(渋谷亜希)にとって悩みの種だった。
だが、毎日乗馬クラブに通い、無邪気に話しかけてくるケンの相手をするうちに、優は少しずつ笑顔を見せるようになっていく。まるで姉弟のように時間を過ごし、暗くなるとケンを送っていくのが優の日課になっていった。
そんなある日、宗司に仕事を頼まれた優は、ケンをひとりで帰す。しかし、夜になってもケンは家に戻らなかった。そして――。
約束の地
監督:加納周典
出演:伊藤ゆみ 緒形幹太 松田賢二 渋谷亜希 藤真美穂 菅田俊 ほか
2009年1月31日(土)〜2月6日(金)、渋谷シアターTSUTAYAにてレイトショー
2009年/カラー/ステレオ/93分
心を閉ざし、孤独に生きる少女。都会からやってきた家族との交流、そして愛馬への愛情が、次第に彼女の心をとかしていく――。
幅広いエンターテイメントを発信し続けるエイベックスが、期待の若手俳優たちと才能あふれる監督たちとのコラボレーションにより送り出すシリーズ “avex ニュースター・シネマ・コレクション”。その第2弾となる『約束の地』は、乗馬クラブを舞台に、亡くなった父親の夢をかなえようとする少女と周囲の人々の織りなす感動のヒューマンドラマだ。
主人公の春風優を演じるのは「アイボン」「午後の紅茶」のCMや、ドラマ「貧乏男子 ボンビーメン」「四つの嘘」で注目を集める伊藤ゆみ。本格的な俳優としての第一歩となる本作では、映画初主演とは思えない演技を披露している。
そして、都会から越してきた家族の父親に『渇きの街』『蝉しぐれ』の緒形幹太、優が働く乗馬クラブを経営する夫婦に「仮面ライダーキバ」『赤い糸』の松田賢二と『およう』やエイベックス20周年記念ミュージカル「ココロノカケラ」の渋谷亜希、優の亡くなった父にハリウッドでも活躍する菅田俊と、充実の共演陣が脇を固める。
監督は『wolf・ish』が第3回インディーズムービーフェスティバルでグランプリを獲得、以降『Rodeo Drive』『STRAY SHEEP』などを手がけてきた加納周典。
人々の出会いの中でほんとうの“約束の地”を見つける主人公の姿は、多くの人の感動を呼ぶに違いない。
- 伊藤ゆみ
- 緒形幹太
- 松田賢二
- 渋谷亜希
- 藤真美穂
- 澁谷武尊
- 菅田俊
- 監督・脚本:加納周典
- 製作:松浦勝人
- エグゼクティブプロデューサー:千葉龍平
- 企画:佐藤浩輝
- プロデューサー:前島良行/篠崎幸男
- 企画協力:狩野善則
- 撮影:新妻宏昭
- 録音:酒井信之
- 音楽:山崎哲也/たまきあや
- 主題歌:弥生「このまま恋になる」
- 企画・製作:エイベックス・エンタテインメント
- 制作:USE.INC
- 配給・宣伝:エイベックス・エンタテインメント