不気味な連続殺人事件と東京ビッグシティマラソンでの無差別爆破テロ、さらには政府の犯罪が暴かれた“あの事件”。特命係の杉下右京(水谷豊)と亀山薫(寺脇康文)が真相究明に奔走する陰で、鑑識課の米沢守(六角精児)は個人的な“驚愕の事実”を発見していた。爆破テロ犯を追う顔認証システムでマラソンの映像をサーチしている最中に、数年前に離婚届を残して姿を消した妻・知子(紺野まひる)の姿を見つけたのだ!
その翌日、知子の死体が発見されるが、実はそれは米沢の妻とは同名の別人だった。ほっとする一方で、米沢は証拠不十分なままの早すぎる自殺との結論に疑問を抱く。死んだ知子の元・夫で所轄の刑事の相原(萩原聖人)も、米沢と同様に自殺説に異を唱えていた。そして米沢と相原は、ふたりで極秘の捜査を開始する。
知子が怨恨によって殺されたのではないかと考える米沢と相原は、知子が勤務していた警察の外郭団体・青少年防犯協会に乗り込む。知子の同僚・高橋早苗(片桐はいり)から、知子が人に恨まれる性格ではなかったと聞き出すふたり。さらにふたりは、経理課長の天野(市川染五郎)から、知子が理事長の設楽(伊武雅刀)にセクハラを受けていたと知らさせる。知子の死はセクハラを苦にした自殺だというのか?
だが、青少年防犯協会が警察の天下り先だったことから、米沢と相原に上層部から捜査を中止するように圧力がかかる。
警察機構の闇に突きあたった米沢と相原は、知子の死の真相を解き明かすことができるのか?
鑑識・米沢守の事件簿
監督:長谷部安晴
出演:六角精児 萩原聖人 市川染五郎 水谷豊 寺脇康文ほか
2009年3月28日(土)全国ロードショー
頭脳明晰な杉下右京と熱血漢の亀山薫、ふたりの“特命係”が活躍する刑事ドラマ「相棒」は、現在シーズン7が放送中、2008年には劇場版も大ヒットを記録した人気作品だ。その人気シリーズからスピンオフ映画が誕生する。高い鑑識技術で特命係をサポートし、ユニークな人柄と独特の風貌で多くのファンを獲得している人気キャラ・米沢守を主人公にした『鑑識・米沢守の事件簿』だ!
原作は、劇中でセリフで語られるだけだった米沢の“逃げた女房”のエピソードに着目したハセベバクシンオーの小説「鑑識・米沢の事件簿〜幻の女房〜」。発行部数20万部を突破する勢いと抜群の面白さから、即、映画化が決定した。
主人公・米沢守を演じるのは、もちろん「相棒」シリーズでお馴染みの六角精児。そして米沢の“相棒”となる刑事・相原には萩原聖人。米沢の逃げた女房と相原の妻を二役で演じるのは紺野まひる。さらに市川染五郎、片桐はいり、伊武雅刀と個性派が顔を揃えた。さらに、右京役の水谷豊と亀山役の寺脇康文をはじめ、鈴木砂羽、益戸育江、川原和久、大谷亮介、山中崇史、山西惇ら本家「相棒」レギュラー陣も登場する。
監督はシーズン2から「相棒」シリーズに参加するベテランで、原作者の父でもある長谷部安晴。また「相棒」シリーズ初となる主題歌を「相棒」の大ファンだというエレフェントカシマシが担当している。
『劇場版 相棒』のストーリーとも交錯しながら、これまでベールに包まれていた米沢守の私生活や心情と、先端の鑑識技術をリアルに描写する本作は、常に新しいことにチャレンジし続ける「相棒」チームの新たなる挑戦なのだ。
- 米沢守:六角精児
- 相原誠:萩原聖人
- 天野達之:市川染五郎
- 米沢知子・真鍋知子:紺野まひる
- 高橋早苗:片桐はいり
- 設楽光治朗:伊武雅刀
- 杉下右京:水谷豊
- 亀山薫:寺脇康文
- 監督:長谷部安春
- 原作:ハセベバクシンオー「鑑識・米沢の事件簿〜幻の女房〜」(宝島社文庫)
- 脚本:飯田武