鵜原禎子(広末涼子)が夫の憲一(西島秀俊)と結婚式を挙げてから7日後。東京本社に栄転となった憲一は、仕事の引継ぎをおこなうために、禎子に見送られて以前の勤務地である金沢へと旅立った。しかし、帰京の予定日が過ぎても憲一は帰ってこなかった。
憲一はたしかに金沢を発ったという。憲一はどこへ消えてしまったというのか? 見合い結婚で憲一と結ばれた禎子は憲一の過去についてほとんど知ることもなく、夫の失踪の原因について思い当たることすらなかった。
憲一を探すために金沢へとやってきた禎子は、憲一のかつての得意先であり、懇意にしていたという室田耐火煉瓦株式会社を訪ね、社長の室田儀作(鹿賀丈史)とその妻の佐知子(中谷美紀)、受付嬢の田沼久子(木村多江)に会うが、憲一の行方の手がかりは掴めなかった。当地では市長選の最中で、佐知子は女性候補者の支援活動を熱心におこない、夫の会社を選挙事務所として日本初となる女性市長の誕生を目指していた。
一方で、ある事実が明らかになる。憲一の失踪とほぼときを同じくして起こった連続殺人事件の被害者が、いずれも憲一にかかわりを持つ人物だったのだ。
果たして、憲一の失踪の理由とはなんだったのか? また、連続殺人事件の犯人は? そしてその目的は? 3人の女の運命が絡みあっていく中で、禎子は衝撃の真相を知ることになる……。
ゼロの焦点
監督:犬童一心
出演:広末涼子 中谷美紀 木村多江 ほか
2009年11月14日(土)より全国東宝系ロードショー
数多くの社会派推理小説を著し、戦後日本文学史に大きな名を刻む日本ミステリー界の巨星・松本清張。その生誕100年となる2009年、その膨大な作品群の中でも名作と名高い『ゼロの焦点』がスクリーンに登場する。
物語の舞台となるのは昭和30年代。失踪した夫を探す妻は、その過程でふたりの女と出会う。3人の女の運命が事件を通じて複雑に絡みあっていく中で、やがて明らかになる衝撃の事実とは?
社会情勢を背景とした緻密な構成、重厚な人間ドラマが発表当時から大きな話題となった『ゼロの焦点』は、のちの作品にも大きな影響を与えた日本ミステリー小説の金字塔である。過去にも数度にわたって映像化された『ゼロの焦点』の決定版となるべく、現在の日本エンターテイメント界を代表する3人の女優が顔を揃えた。
主人公の鵜原禎子にアカデミー賞外国語最優秀賞受賞作『おくりびと』のヒロインとして世界の注目を集める広末涼子、室田佐知子に『嫌われ松子の一生』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した中谷美紀、田沼久子に『ぐるりのこと』で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞とブルーリボン主演女優賞を獲得した木村多江。輝かしい受賞歴を持つ3人が豪華共演を果たす。さらに脇を固める男優陣にも西島秀俊、鹿賀丈史、杉本哲太ら実力派が揃った。
監督は『ジョゼと虎と魚たち』『グーグーだって猫である』など幅広い作品を手がける名手・犬童一心がつとめる。
現代の日本のミステリー小説の原点と呼ぶべき作品が、究極のサスペンス・エンターテイメントとして現在に蘇る。
- 広末涼子
- 中谷美紀
- 木村多江彦
- 杉本哲太
- 崎本大海
- 野間口徹
- 黒田福美
- 本田博太郎彦
- 西島秀俊彦
- 鹿賀丈史
- 監督:犬童一心
- 原作:松本清張「ゼロの焦点」(新潮文庫/光文社カッパ・ノベルス/文藝春秋「松本清張全集第3巻」)
- 脚本:犬童一心/中園健司
- 製作総指揮:島本雄二/島谷能成
- 製作統括:亀山慶二/木下直哉/町田智子/宮路敬久/喜多埜裕明/石井博之/水野文英/吉田鏡/久保田修/大宮敏靖/井上義久/高田達朗/荻谷忠男/古田栄昭/戸崎和良/北村一明
- 製作:本間英行
- 企画:雨宮有三郎
- エグゼクティブプロデューサー:服部洋/白石統一郎/市川南/梅澤道彦
- 企画プロデューサー:大浦俊将
- 製作プロデューサー:川田尚広
- キャスティングプロデューサー:田中忠雄
- プロダクション統括:金澤清美
- 撮影:蔦井孝洋
- 美術:瀬下幸治
- 録音:志満順一
- 照明:疋田ヨシタケ
- 編集:上野聡一
- 装飾:遠藤雄一郎
- VFX:荒木史生
- 助監督:熊澤誓人
- 製作担当:小森日出海
- 音楽プロデューサー:岩瀬政雄
- 音楽:上野耕路
- 電通・東宝提供作品
- 製作:「ゼロの焦点」製作委員会
- 製作プロダクション:東宝映画
- 配給:東宝