裁判長!ここは懲役4年でどうすか
監督:豊島圭介
出演:設楽統 片瀬那奈 鈴木砂羽 ほか
2010年11月6日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
2010年/カラー/35ミリ/アメリカンビスタ/DTSステレオ/95分

日々、たくさんの裁判がおこなわれる裁判所。決して映画やドラマのような劇的な裁判ばかりではないが、そこで露わになる人間模様に興味を惹かれて傍聴に通うマニアたちも少なくないという。『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』は、そんな傍聴マニアにスポットを当てた映画だ。
売れないライター・南波タモツは、取材のため裁判を傍聴することになった。傍聴マニアのグループと知り合いとなって傍聴の日々をエンジョイしていたタモツだが、ある日ひそかに好意を持っていた美人検察官からきつーい一言が……。
主人公のタモツ役で人気お笑いコンビ・バナナマンの設楽統が映画初主演を果たし、どこか情けなさの漂う青年をリアルに表現。そして、映画やドラマに加えトーク番組でも人気の片瀬那奈が美人検察官の長谷部真理をクールに演じる。そのほか、螢雪次朗、村上航、尾上寛之、鈴木砂羽、堀部圭亮、徳永えり、斎藤工ら実力派俳優が共演。さらに、実際に傍聴マニアとして知られる阿蘇山大噴火や、主演・設楽統の相方である日村勇紀も出演している。
傍聴ブームの火付け役ともなった北尾トロの同名エッセイを原作に、「中学生日記」「美少女H」などのアサダアツシ(浅田聖林)が脚本化。「怪奇大家族」「マジすか学園」などのテレビドラマや『怪談新耳袋 ノブヒロさん』『ソフトボーイ』など、幅広い作品を手がける俊英・豊島圭介がメガホンをとり、ユーモラスでちょっぴりねじれたヒューマンドラマを完成させた。
裁判官でも弁護士でも裁判員でもない傍聴人。でも、そんな傍聴人だからできることがあるんじゃないだろうか? 面白くてためになる、裁判エンターテイメントムービーの誕生だ!

テレビの構成台本の仕事を切られたばかりのライター・南波タモツ(設楽設)は、映画プロデューサーの須藤光子(鈴木砂羽)に呼び出され“愛と感動を込めた裁判映画”の脚本執筆を依頼された。リアルな裁判ものを書くには取材が必要! ということで、タモツは実際の裁判を傍聴することになってしまった。
いざ裁判所に来てはみたものの、場違いさを感じて引き返そうとするタモツだったが、スタイル抜群の美人が裁判所に入っていくのを見かけて誘われるように裁判所へと足を踏み入れる。
初めて入った法廷でタモツが見たのは「歯が痛くて」覚せい剤を使った女性の裁判や、大根がもとで起きた殺人事件の裁判など、タモツが抱いていたイメージとは大きく異なる、およそ“愛と感動”とはかけ離れた世界だった……。
傍聴通いを続ける中で、タモツは傍聴マニアの西村(螢雪次朗)と谷川(村上航)、永田(尾上寛之)のグループ“ウォッチメン”と知り合いになった。そしてタモツは、初めて裁判所に来たときに見かけた美人が、マニアの間で“マリリン女王”と呼ばれている検事の長谷部真理(片瀬那奈)であることを知る。傍聴席から法廷で厳しい口調で被告に質問を浴びせる真理の姿を眺め、ついついよからぬ妄想を膨らませてしまうタモツ。
そんなある日、タモツは裁判のあとで真理から「楽しいでしょうね、他人の人生を高みの見物して」というきつい一言をかけられる。「気楽な暇つぶしならよそでしてもらえます?」という真理の言葉に、タモツは裁判所通いをやめてしまう。
だが、西村からある話を聞き、タモツはふたたび裁判所へ向かう。傍聴人にも、できることがあるんじゃないか……。