ステージの上で華麗な演奏を披露する美貌のチェリスト・静子(小向美奈子)。イタリア帰りで新進気鋭のチェリストとして注目されている静子を、客席から遠山隆義(本宮泰風)が見つめていた。
両親を亡くした静子は、海東財閥の会長である海東義一郎の支援によりイタリア留学を果たし、現在は義一郎の妻になっていた。静子を我がものにせんと企む遠山は、自らが率いる遠山グループの財力を武器にした計画を実行に移す。
遠山の計略によって海東義一郎は破産し、心臓発作により逝去する。夫であり支援者であった義一郎の死の衝撃も冷めないまま、静子は、闇金融の男たちによって喪服のまま連れ去られる。静子を待っていたのは激しい拷問であった。繰り返し振り下ろされる鞭によって服は切り裂かれ、白い肌に鞭の跡が刻まれ、静子の悲鳴がこだまする。静子の苦しみは、ひとりの男が現われるまで続いた。
静子は、義一郎の債権を引き取った遠山の正式な妻として迎えられた。視察のためニューヨークへと旅立つ遠山は、静子を秘密の別邸へと連れていく。
執事の伊沢(火野正平)、静子に作法を指導する折原(水谷ケイ)、メイドの美沙江(琴乃)たちに迎えられ、静子の遠山別邸での生活が始まった。広大な屋敷での暮らしの中で、静子は自分を見つめる視線の存在を感じる。
屋敷での生活はいつしか次第に異様さを増していく。やがて遠山からの手紙により、伊沢が執事でないことを知らされる静子。すべては静子を調教するために仕組まれた罠だったのだ。静子の想像を絶する恥辱の日々が始まろうとしていた……。
花と蛇3
監督:成田裕介
出演:小向美奈子 本宮泰風 小松崎真理 琴乃 睦五朗 水谷ケイ 火野正平 ほか
2010年8月28日(土)より全国ロードショー
2010年/カラー/ビスタ/35mm/DTS/106分
団鬼六の手によるSM小説の金字塔「花と蛇」は、1974年に谷ナオミ主演で映画化されたのを皮切りに、これまで7度にわたって映画化されてきた。なかでも、石井隆監督のメガホンにより2004年に公開された『花と蛇』は主演をつとめた杉本彩の大胆な演技が話題を呼んで大ヒット、DVDも10万枚を越えるセールスを記録した。好評に応え翌年には続編『花と蛇2』が公開され同様のヒット作となった。そして2010年、新たな主演女優を迎えて『花と蛇3』がスクリーンに登場する。
今回、主演をつとめるのは、2009年にグラビアアイドルからストリッパーへと衝撃の転身を果たして大きな注目を集めた小向美奈子。本作ではその美しい裸体を惜しげもなくさらすだけではなく、緊縛シーンや女性同士の激しい絡みなど過激なシーンにも体当たりで挑戦。危うい世界へと堕ちていく主人公・静子を堂々と演じてみせた。
また、ベテランの火野正平が圧倒的な存在感で静子を“調教”する男を演じるのをはじめ、静子を我がものにせんとする野心家の男に本宮泰風、ほかに斉藤歩、睦五朗と、個性派男優が共演。さらに水谷ケイ、琴乃の女優陣がセクシーな魅力を発揮し、人気雑誌読者モデルとして人気の小松崎真理が初ヌードを披露して小向美奈子との濃厚なレズシーンを演じているのも話題だ。
そして、「花と蛇」シリーズに欠かせない緊縛は、前2作にも参加した当代きっての緊縛師・有末剛が担当し、もはや芸術的とも言えるオリジナル緊縛の数々を披露している。
メガホンをとるのは『あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』やオリジナルビデオ作品「Another XX 黒い追跡者」など、アクションとエロスに定評のある成田裕介。禁断の領域で覚醒していく静子の精神を見事にスクリーンに描き出した。
- 小向美奈子
- 本宮泰風
- 小松崎真理
- 工藤俊作
- 斉藤歩
- 琴乃
- 沼田爆
- 睦五朗
- 水谷ケイ
- 火野正平
- 監督:成田裕介
- 脚本:我妻正義
- 原作:団鬼六「花と蛇」(幻冬舎アウトロー文庫)
- 企画:日達長夫/松田仁/小椋正樹
- プロデューサー:加藤和夫/島津毅彦/太田裕輝
- 撮影:藤澤順一
- 照明:金沢正夫
- 録音:小林喬
- 美術:黒川通利
- 編集:只野信也
- 緊縛:有末剛
- 音楽:石川光
- 製作協力:ニューウェーヴ
- 製作・配給:東映ビデオ