「夏空とオシッコ」
8歳の少女・サトは、ある事情のため祖父のソウイチ(柄本明)に引き取られることになった。祖父の家に向かう途中、車を抜け出したサトは電機屋の店頭のテレビが伝えるニュースを眺めていた。それは、サトの両親と姉を殺した犯人が自殺したというニュース。そして続けて流れたのは、妻子を殺されたトモキ(長谷川朝晴)が、犯人の少年に復讐を誓う姿だった……。
「桜と雪だるま」
ネットで復讐代行業について調べるトモキ。桜が満開の公園では、カイジマ(村上淳)たちが花見をおこなっていた。カイジマは息子のハルキを残し、仕事のために雪国への短い旅に出た。深い雪に囲まれた廃墟に向かうカイジマ。カイジマの目的は、波田(佐藤浩市)の妻からの依頼で、波田を殺すことだった……。
「雨粒とRock」
鍵屋で働いているトモキは、タエ(菜葉菜)という若い女性の依頼で部屋の鍵を開けに来た。仕事を済ませたトモキのもとに会社から連絡が入る。タエがトモキに暴行されたと言っているというのだ。タエはトモキをライブハウスへと呼び出す。そこに出演するのは、タエがギターを弾くバンドだった。ライブ後、タエは強引にトモキを打ち上げにまで連れていく……。
「船とチャリとセミのぬけ殻」
船着場に到着した渡し舟から降りる乗客の中に、16歳になったサト(寉岡萌希)の姿があった。サトは、船着場近くにいたハルキから自転車を借りると、この街に住んでいるはずのトモキを探す。タエと結婚し子供に恵まれ、幸せそうに暮らしているトモキ。サトはトモキに会うと、かつてトモキの妻子を殺した犯人が出所したことを告げる……。
「おち葉と人形」
人形作家の恭子(山崎ハコ)は、母子殺人事件の犯人である少年が弁護士(嶋田久作)を通じて発表したコメントが気になり、弁護士を訪ね、少年へと手紙を託す。やがて少年との手紙での交流が始まり、恭子はその少年・ミツオ(忍成修吾)を養子に迎えることとなった。そして仮出所した少年は、若年性アルツハイマーが進行した恭子の介護をおこなう……。
「クリスマス☆プレゼント」
クリスマスイブの日。警察官のカイジマは、かつて自分が正当防衛で殺してしまった男の妻・チホ(根岸季衣)に金を届ける。そんなカイジマをチホの義理の娘・カナ(江口のりこ)はからかう。一方、建築現場で働くミツオの姿を見かけたトモキは自分の感情を抑えられなくなる。サトと会ったトモキは、サトに決意を伝える……。
「空にいちばん近い町1 復讐」
いまはすっかり寂れてしまった恭子の故郷へと恭子を連れてやってきたミツオ。もう話をすることもできなくなった恭子に、ミツオはここでふたりだけで暮らそうと語りかける。そんなふたりの姿を、トモキとサトが見つめていた。ミツオが目を放した隙に、トモキとサトは恭子を連れ去り、トモキはミツオを追う……。
「空にいちばん近い町2 復讐の復讐は何?」
カイジマの家を、妊娠中のカナが訪ねてきた。カイジマがずっとチホに払ってきた金の支払いが滞っていたのだ。出迎えたカイジマの息子・ハルキは、カナにカイジマが死んだことを告げる。ヤバイ副業に手を染めていたカイジマは何者かに殺されたのだった。同じ町では、妻と娘の出ていった部屋でトモキがミツオの復讐に怯えていた……。
「ヘヴンズ ストーリー」
父と母、姉の遺品を整理していたサトは、母から自分に宛てた手紙を見つけた。そこには、見知らぬ住所が書かれていた……。