
上級生と下級生が“スール”と呼ばれる擬似姉妹となるしきたりのある私立リリアン女学園。ごく平凡な1年生の福沢祐巳は、ある日、かねてから憧れだった2年生の小笠原祥子に声をかけられる――。伝統と格式あるお嬢様学校を舞台に、特別な関係で結ばれた少女たちの日々を瑞々しく描いた人気少女小説『マリア様がみてる』が、待望の実写映画化を果たした。
シリーズ累計発行部数は540万部を突破、コミックやアニメ、オーディオドラマなど多メディアで展開して好評を得てきた大人気作の実写映画化にあたり、いま注目の女性キャストが華やかに集結した。
物語の中心となる小笠原祥子を演じるのは、雑誌「セブンティーン」のモデルで、女優としても『女の子ものがたり』『ソフトボーイ』などで好演を見せる波瑠(はる)。クールさを感じさせる美貌で、学園の誰もが憧れる祥子を見事に演じてみせた。
そして祥子に憧れる福沢祐巳には「ラブベリー」モデルで、ドラマ「クローンベイビー」「仮面ライダーオーズ」への出演で注目を集める未来穂香(みき・ほのか)。クルクル変わる小動物のような愛らしい表情で祐巳をいきいきと演じている。
さらに、平田薫、滝沢カレン、秋山奈々、坂田梨香子、高田里穂、三宅ひとみ、広瀬アリスと、女優、モデル、アイドルとして各方面で輝く女性たちが、原作のキャラクターの魅力をスクリーン上に再現してみせた。
また、メインキャストでは唯一の男性として若手俳優集団・D-BOYSの碓井将大が出演し、作品のアクセントとなっている。
原作の雰囲気を感じさせる空間を意識して、重要文化財に指定されている貴重な建造物でのロケを敢行。『華鬼』3部作など幅広いジャンルを手がける寺内康太郎監督が、少女たちの繰り広げるドラマをリリカルに描いていく。

伝統と格式あるお嬢様学校・私立リリアン女学園。幼稚舎からリリアン女学園に通う高等部1年生の福沢祐巳(未来穂香)は、特別な取り柄もないごく平凡な生徒だ。リリアン女学園高等部には、上級生と下級生が“スール”と呼ばれる擬似姉妹の関係を結び、姉が妹の指導をするという独特のしきたりがあった。いまだ誰の妹にもなっていない祐巳だが、学園のスター的な存在である2年生の小笠原祥子(波瑠)に憧れを抱いている。
ある朝、祐巳は祥子から声をかけられ、制服のネクタイの乱れを注意される。その様子をカメラにとらえていた写真部の武島蔦子(広瀬アリス)から写真をパネルにして学園祭で展示したいと言われ、祐巳は祥子の許可を得るために学園内の“薔薇の舘”を訪ねる。そこは山百合会と呼ばれる生徒会役員の面々が集まる場所で、祥子も役員のひとりなのだ。
薔薇の舘へと足を踏み入れた祐巳は、部屋を飛び出してきた祥子と遭遇。祥子は、祐巳に姉がいないことを確かめると、水野蓉子(平田薫)、佐藤聖(滝沢カレン)、鳥居江利子(秋山奈々)たちの前で祐巳を妹にすると宣言する。だが、祥子が姉である蓉子たちへの反発からたまたま居合わせただけの自分を選んだことを察した祐巳は、祥子の申し出を断ってしまう。
蓉子たちの提案で、祥子が祐巳を妹にできるかどうかの賭けがおこなわれることになった。期限は学園祭開催までの2週間。祥子が負ければ、祥子は学園祭で上演される劇「シンデレラ」の主演をつとめることになる。そして祥子が勝てば、祥子の代わりに舞台に立つのは祐巳――。
こうして祐巳は、学園祭に向け祥子たちと行動をともにすることになる。果たして、スールの証となるロザリオの行方は?