新潟の高校に通っていた山瀬ひろみ(渡辺奈緒子)は、卒業後、東京で就職することになった。別れを惜しむ親友の河井さやか(佐津川愛美)に、ひろみは「憧れの東京で芸能人になりたい」という淡い夢を語る。
上京したひろみは、空港の警備員として決して華やかとは言えない毎日を送っていた。ある日、ひろみは渋谷で女性に声をかけるスカウトマンの榎本(光石研)の姿を見かけ、わざと榎本のそばを歩いてスカウトを受ける。
一緒に上京してきた彼氏の英介(永山たかし)には内緒で榎本に会うひろみ。だが、榎本の会社はAV事務所で、紹介された仕事はヌードモデル。戸惑うひろみだが、少しでも夢に近づくため、AVには出ないことを条件にヌードの仕事を始めた。
事務所の先輩女優(みひろ)に付けてもらった芸名は“みひろ”。プロのスタッフに囲まれての仕事にやりがいを感じたひろみは、空港の仕事を辞め、バイトを掛け持ちしながらヌードモデルの仕事を続けていく。
グラビアの仕事が増えだしたころ、英介がひろみの仕事に気づき、ヌードの仕事を辞めるよう強く迫る。そしてひろみのヌードグラビアは新潟の同級生たちの間でも噂となっていた。連絡してきたさやかはひろみにきつい言葉を投げかける。恋人と親友に理解されない苦しみに仕事を放り出しそうになるひろみを救ったのは、先輩女優からのアドバイスだった。
ひろみは英介には隠したままヌードモデルの仕事を続け、セクシー系のビデオ映画で女優としての仕事も始める。やがてテレビ出演のチャンスも掴みかけるがうまくいかない。そんな中、大物プロデューサー・佐藤(山本浩司)の「君は中途半端なんだよね」という言葉がきっかけとなり、ついにひろみはAV出演を決意する……。
nude
監督:小沼雄一
出演:渡辺奈緒子 佐津川愛美 永山たかし みひろ ほか
2010年9月18日(土)よりシネマート新宿ほか全国順次ロードショー
2010年/カラー/HD/アメリカンビスタ/ステレオ/106分
高校卒業後、新潟から上京してきたひろみは、スカウトされてヌードモデルの仕事を始めた。やがてアダルトビデオの世界へと踏み込んでいく彼女の芸名は“みひろ”……。
AV界で絶大な人気を誇りつつ、2010年6月をもってAVから引退した女優・みひろ。『nude』は、テレビや映画でも活躍し、幅広い層からの支持を集めるみひろが、自らの経験を赤裸々に綴った同名自伝小説の映画化だ。
映画で主人公のみひろ=山瀬ひろみを演じるのは渡辺奈緒子。『東京大学物語』で映画デビューし、3ヶ国合作映画『SILK』や『リアル鬼ごっこ2』『アウトレイジ』など、話題作への出演が続く期待の若手女優が映画初主演を飾る。大胆なシーンにも体当たりで挑戦しているのはもちろん、清楚な佇まいと繊細な演技で微妙な心の動きを表現してみせる。
共演には、ひろみの親友・さやかを『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』などの佐津川愛美が好演するのをはじめ、ひろみをスカウトしマネージャーとして見守る榎本に名バイプレイヤーの光石研、ひろみの彼氏・英介役に『ガチンコ 失踪上等』の永山たかし、ひろみに転機を与えるプロデューサーに山本浩司と、実力派キャストが顔を揃えた。そして、原作者であるみひろ自身も先輩女優役で出演している。
メガホンをとったのは、ロングヒットとなった『童貞放浪記』や、大人の激しい恋愛を描いた『結び目』など、深みのある人間描写に定評のある小沼雄一。『nude』では、登場人物たちの“絆”を情感豊かに丁寧に描いていく。
美しい映像で綴られる『nude』は、ひとりの女性の凛とした姿を描く、透明感あふれる青春映画だ。
- 山瀬ひろみ・みひろ:渡辺奈緒子
- 河井さやか:佐津川愛美
- 広田英介:永山たかし
- 先輩女優:みひろ
- 佐藤:山本浩司
- 榎本:光石研
- 監督:小沼雄一
- 原作:みひろ「nude」(講談社刊)
- 脚本:石川美香穂/小沼雄一
- 製作:藤岡修/宇田川寧
- エグゼクティブプロデューサー:木村有一
- プロデューサー:永田芳弘/柴原祐一
- アソシエイトプロデューサー:鈴木俊輔/加茂義隆
- 撮影:早坂伸(J.S.C.)
- 照明:フクナガヒロアキ
- 録音:小宮元
- 装飾:龍田哲児
- 編集:前嶌健治
- 衣裳:宮本まさ江
- ヘアメイク:喜舎場志乃
- キャスティング:谷川原百子
- 助監督:江戸川深夜
- 制作担当:栗林直人
- 音楽:宇波拓
- 主題歌:テニスコーツ「バイババビンバ」(majikick)
- 製作:『nude』製作委員会(ハピネット/m-voice/スモーク)
- 製作プロダクション:スモーク
- 製作協力:ダブ
- 配給:アルシネテラン/ハピネット