
全寮制の男子校・祠堂学院に通う葉山託生=タクミ(浜尾京介)は3年生への進級を控え、恋人の崎義一=ギイ(渡辺大輔)との再会を心待ちにしていた。春休みをアメリカで過ごすギイも、電話でタクミへの募る想いを伝えていた。
新学期を迎え、クラスも寮の部屋割りも新しくなった。タクミはギイと別のクラスとなり、寮でも1年ともに過ごしたギイと離れることになる。ギイは寮の各階ごとの責任者である階段長に就任し、個室を割り振られているのだ。
新しい部屋でタクミの同室となったのは、クールな三洲新(馬場良馬)。ギイとの関係を遠慮なく聞いてくる三洲や、三洲に想いを寄せる2年生の真行寺兼満(川隅美慎)の態度に、タクミは戸惑いを隠せない。
そんな折、赤池章三(滝口幸広)が気になる情報を持ってきた。寮に戻ってきたギイが、メガネをかけて髪形も変え、態度もこれまでと違うというのだ。2階の階段長・野沢正貴(齋藤ヤスカ)も、同様にギイの変化に気づいていた。
真相を確かめようと会いにいったタクミを、印象の変わったギイは素っ気ない態度で迎える。さらにギイは、ふたりきりで会うのはよそうとタクミに告げるのだった。
ギイの態度にショックを受けるタクミを片倉利久(紅葉美緒)や赤池は心配する。やがて赤池はギイの変化の理由のヒントに気づくが、ギイとの関係を思い悩むタクミは、他人に触れられることを極度に怖れる“人間接触嫌悪症”を再発させてしまっていた。かつてタクミを嫌悪症から救ってくれたギイの心は、ほんとうに変わってしまったのだろうか? 苦しむタクミの姿を前にして、三洲は……。