漁港に停めたヨット“ゴールド・フィッシュ号”の中で金魚とともに暮らしている長田ミオ(入来茉里)。ある事情があって鹿児島の高校に転校してきた石黒キヨミ(田中あさみ)。ふたりの少女は、偶然に出会った。
やがてふたりは、お互いが同じような心の傷を抱えていることを知ることになる。父親が海で行方不明になって以来、高校にも通わず父の残したヨットで暮らしているミオ。ヨットの選手として有望視されヨット留学までしていたが、練習中の事故でパートナーだった友人・セイコを失い、ヨットを捨てて地元に戻ってきたキヨミ。
ミオは、誰も入れようとしなかったゴールド・フィッシュ号の中にキヨミを招き入れると、ミオの父が遺した“宝の地図”を頼りに宝探しを手伝ってくれるようキヨミに頼む。キヨミの操船で、ゴールド・フィッシュ号は海に出る。地図に書かれた島を目指して……。
宝探しを経て互いの絆を深めたミオとキヨミが次に目指したのは、錦江湾で開催される鹿児島カップ火山めぐりヨットレースへの出場だった。ふたりをなにかと気にかけてくれるクラス委員の伊勢ケイイチ(賀来賢人)と、いつも嫌がらせをしてくる漁師たちからミオをかばっていた漁師の南ヨウスケ(柄本時生)がクルーとして加わってくれることになった。さらに、死んだセイコの恋人で、キヨミへのわだかまりを持っていたヨット部員の寺岡マサル(白石隼也)もチームに加わる。
こうして集まった5人は、大会へ向けて厳しい練習を積んでいく。ときにぶつかり合いながら、困難を乗り越えていく5人。そしてついに、大会の日がやってきた……。
海の金魚
監督:雑賀俊郎
出演:入来茉里 田中あさみ 賀来賢人 白石隼也 柄本時生 ほか
2010年3月13日(土)九州先行公開、4月10日(土)より全国順次ロードショー
2010年/カラー/35mm/ビスタサイズ/DTS/116分
愛する海で大切な人を失ってしまったふたりの少女。そんな彼女たちの心の傷を癒してくれるのも、やはり海だった――。
『チェスト!』で鹿児島・錦江湾でおこなわれる遠泳大会に挑む小学生たちの姿を描き好評を得た雑賀俊郎監督が、再び鹿児島を舞台に映画を撮った。“鹿児島三部作”の2作目となるのは、哀しい記憶を持つふたりの少女が、仲間たちとともに火山めぐりヨットレースに挑む中で辛い思い出を乗り越え、成長していく姿を描いた『海の金魚』だ。
港に停めたヨットで暮らすミオを演じるのは、ホリプロスカウトキャラバン出身の鹿児島っ子・入来茉里(いりき・まり)。友人を事故で失ったショックから抜け出せないヨット選手のキヨミには、ミスセブンティーンの田中あさみ。天真爛漫な明るさの中に激しさを秘めたミオと、クールな振る舞いで自分の弱さを隠そうとするキヨミという対照的なふたりの少女を、ドラマや映画で活躍するふたりのフレッシュな女優が好演している。
ふたりとともにヨットレースに挑む仲間たちには『銀色の雨』の賀来賢人、『大洗にも星は降るなり』の白石隼也、『俺たちに明日はないッス』の柄本時生と、いま注目の若手俳優たちが揃った。
そして吉瀬美智子、芳本美代子、『チェスト!』に続いての出演となる高嶋政宏らが、若手キャストをしっかりと支える。
映画の登場人物たちは、ときにはぶつかり合い、ときにはすれ違い、痛みを感じながらも少しずつ前に進み、強く、優しくなる。雄大な鹿児島の風景の中で織りなされる繊細な人間ドラマと、海上ロケによるダイナミックなヨットレースシーン。様々な要素をあわせ持った青春映画の傑作が、ここに誕生した。
- 長田ミオ:入来茉里
- 石黒キヨミ:田中あさみ
- 伊勢ケイイチ:賀来賢人
- 寺岡マサル:白石隼也
- 南ヨウスケ:柄本時生
- 朝井出皐:吉瀬美智子
- 石黒晋一郎:高嶋政宏
- 石黒憲子:芳本美代子
- 桑島等:小島よしお
- 南野梨花:麻宮美果
- 監督:雑賀俊郎
- 脚本:塚田耕野
- プロデューサー:坂上也寸志/喜多一郎
- アソシエイトプロデューサー:金澤秀一
- 撮影:安田圭
- 照明:石田健司
- 録音:塩浜雅之
- 映像技術:前川達彦
- 美術:津留啓亮
- 編集:成田剛
- 助監督:福田尚子
- スチール:神谷智次郎
- AP:石崎理恵
- 音楽:齋藤昇
- 主題歌:吉田山田「涙の海」(ポニーキャニオン)
- 挿入歌:片山メグミ「ブルー」/福井静「サカナ」(Daylight STUDIO)
- 製作:2010「海の金魚」製作委員会
- 制作:ビーズ・インターナショナル
- 宣伝協力:シナジー・リレーションズ
- 配給:ティ・ジョイ